実演鑑賞
満足度★★★★
なんだろ?そうでしょうよ。いいでしょうよ。
悔しくなる程の才能。演劇好きは早目にチェックしておいた方がいい。(まあ皆観てるだろう)。小説を書いても映画を撮っても賞は貰える筈。系譜としては小津安二郎なんだろうけれど、描き方が韓国映画っぽい。『ペパーミント・キャンディー』をホン・サンスが撮ったような。抑制の美学。暗転ごとに時間がかなり飛ぶ。これをやり切る力。
主演の安川まりさんが圧倒的。こんな女優がいたんだ!と驚いたが、結構『た組。』とかで観ていたようだ。彼女と母親(坂倉奈津子さん)、父親(用松〈もちまつ〉亮氏)のシーンが絶品。この遣り取りは永遠に観ていられる。
一歩間違えれば只々退屈の境界線上、断崖絶壁のギリギリの攻防を乗り切るのは役者陣の才覚のみ。
モルタル塗りされた灰色の壁が背後に無言で突っ立っている。
ある家族達が老いていく。子供を作るように親は諭す。