ココノイエノシュジンハビョウキデス 公演情報 日本のラジオ「ココノイエノシュジンハビョウキデス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    [犬組]
    作家に何か見覚えがあったが『ザ・フラジャイル/ライト』の人だった。
    日野あかりさんを久し振りに観たが、こんなに美人だったか?と驚く程綺麗だった。(役柄もあると思う)。
    箱馬で作った書棚に並んだ古書、日本人の文学全集が多い。
    神経質そうな店主(宮崎雄真氏)、その弟(神山慎太郎氏)、目の悪い妻(日野あかりさん)、訪れる客(澤原剛生〈ごうき〉氏)。江戸川乱歩のような美しい文体で紡がれる物語。

    萩原朔太郎のオノマトペを効果的に使用。
    例えば、『猫』という短い詩。

    『おわあ、こんばんは』
    『おわあ、こんばんは』
    『おぎやあ、おぎやあ、おぎやあ』
    『おわああ、ここの家の主人は病気です』

    深夜の屋根の上、二匹の猫の会話の内容が自分のことを話しているように聴こえてくる萩原朔太郎。強迫性障害とアンビバレンス(両価感情)に長い間苦しめられた。

    のをあある とをあある のをあある やわああ (犬の遠吠え)

    とをてくう、とをるもう、とをるもう。 (鶏)

    文学的な上品な会話の中に突如組み込まれるオノマトペの不安感。

    澤原剛生氏は岡崎体育に似て、発達障害っぽい不自然さ。
    何か増村保造っぽいな。日野あかりさんが若尾文子に見えてきた。
    好きな人には堪らなく好きな世界。

    ネタバレBOX

    [鶏組]の方が、妹と女性客なのでオリジナル通り。弟と男性客だと設定に違和感がある。ひとさらいは女性のみを狙うべき。
    大正から昭和初期の設定で構築し直したら、物凄い傑作が生まれそう。

    エドワード・ゴーリーの『うろんな客』を友人の子供の誕生祝いにプレゼントしようとするパン屋で働く男。それもどうかと思うが。店主からプレゼントされた本は『甘い蜜の部屋』。森鴎外の娘、森茉莉の本。

    日野あかりさんの最後の台詞、口の動きだけで何も聴こえない。果たして何と言ったのか?やはり、「ここの家の主人は病気です。」だろうか。

    モデルはペーター・キュルテン。ドイツのシリアル・キラーでフリッツ・ラングの『M』という映画のモデルともされている。最終的に逮捕された原因は森で強姦した少女を生かして帰したこと。「俺の家を覚えているか?」「覚えていない」。
    最後はギロチンで首を斬り落とされた。

    多重人格の部分は『サイコ』のノーマン・ベイツからだろう。(そのモデルはエド・ゲイン)。

    ※備忘録。
    シアターアルファ東京主催『ショート・シアター・フェス2023』でのトラブル。
    『なかないで、毒きのこちゃん』が4月13日に劇場入り。きっかけ稽古の最中、オーナー兼舞台監督の飛野悟志氏からハラスメント被害を受ける。罵声、恫喝、侮辱、暴言、高圧的な態度、屈辱的な処遇。起きたことをレコーダーの録音を示して(?)、他の出演団体『日本のラジオ』と『Mrs.fictions』に相談。異常な状況に不安を感じた『日本のラジオ』と『Mrs.fictions』は参加辞退を表明。(それぞれ4/16と4/20。『なかないで、毒きのこちゃん』は忸怩たる思いで4/14、4/15の公演を遂行した)。その後4月21日、『トツゲキ倶楽部』は参加辞退も含めて検討中と表明。(プロデューサーからの説明、体質の改善の姿勢を受けて参加することに)。
    5月2日、フェスの終了を待って、『なかないで、毒きのこちゃん』が本件を公表。

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    2023/06/02 18:49

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