『あぁ、自殺生活』 ~ ありがとうございました。次回は下北沢楽園にて6/1(金)&6/20(日)に上演致します。 公演情報 劇団夢現舎「『あぁ、自殺生活』 ~ ありがとうございました。次回は下北沢楽園にて6/1(金)&6/20(日)に上演致します。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    「後半戦」を観た
    観客の意見を吸い取って物語を部分的に変えてるところは流石。前半のラストが後半で、あんな風に変わってしまうと、物語そのものの意味も変わってくるのか・・と納得した舞台だった。とってもセンスのいい会話劇で相変わらずワタクシ好みの作風だった。良く勉強されてて秀逸な演技力もさることながら、二人芝居というのは物凄いエネルギーだと思う。とにかく汗ダラダラ・・。
    今、思い出したが、ここの劇団の作風ってフランスの「ギィ・フォワシイ」に似てる。

    個人的に、このような妖しい雰囲気の、「遺失」と「蟻」もそうだったがちょっとねじれた陰鬱とした中にも破壊力のある物語は劇団夢現舎でなければ表現できない情景だと思う。黄泉の国と現世の狭間のような・・。つまりはワタクシ好み。笑

    以下はネタバレBOXにて。。

    ネタバレBOX

    前期の公演で気が付かなかったこと・・、生真面目な会社員は会社の皆にイビラレ苛められていいように使われた挙句、成績も悪い事から、解雇されてしまう。絶望のどん底に陥った会社員は飛び込み自殺を図るが、一人の貧乏神のような老人に助けられる。

    老人は自殺道について、会社員に話しかけ、話を聞き、肩を抱いて身体を密着させながらもうんちくを述べ、更に会社員の話を聞く。ここで解った事は、会社員は会社で孤立して誰からも話かけられず、また話しかける相手も居なくて孤独だった、という事だ。だからこんな風に自分の話や主張を引き出して延々と話し込む。というのは最近ではなかったに違いない。「都会の奴ら、他人のことなんか皆、気にしちゃ居ないんだよ。皆、冷たいからなー。」と吐くセリフで納得させられる。

    人間は衣食住の基本の他に「人間同士の会話」がなかったら、生きてるけど死んでるのと同義だと思う。人間は自分の意思を何らかの方法で常時、発散させていなければ、退屈や淋しさ、物足りなさ、不愉快さを消す事は出来ないからだ。

    会社員は老人にほろ苦いコーヒー牛乳を頂く。その表情はこれから死ぬというのに、「ああ、上手い。なんて上手いんだ、生きてて良かった!」とでも呟くような表情をする訳だ。笑  この展開で会社員は本気で死ぬつもりなんかないんだと思う。なのになんだか自殺しなければいけない雰囲気になって、意固地になりながらも、いざっていうときに土壇場になってビビリまくるのだ。とにかく可笑しい。

    で、結局薬局、老人は最初から会社員の自殺を止めさせたかったのではないだろうか・・、会社員は会社員でそんな老人に親近感を抱き、友情が芽生えてしまう。「今、ここでこの老人を手放したら、今度はいつ自分と会話してくれる人が現れるだろうか・・。また一人になっちまうじゃないか・・。」とでもいいたげな表情だ。会社員はそんな恐怖にも似た心持は味わいたくないのだと思う。だから、「俺はあんたが居なかったらダメなんだ」と叫ぶ。貧乏神のような老人は今の会社員にとっては神様のようなものなのだ。人と人との繫がりが稀薄になってる世の中だから、こういった風景が心に響く。

    何回観ても素晴らしい。。

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    2010/05/26 17:49

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