「ヒッキー・カンクーントルネード」の旅 2010 公演情報 ハイバイ「「ヒッキー・カンクーントルネード」の旅 2010」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ボクと社会を隔てる視線
    テレビのお笑い番組のような、割とアカルイ雰囲気の舞台で終始、無邪気な笑いに包まれた、そこそこ絶望的なお話で、喉元に引っかかった骨がいつまでたっても取れないような、気持ち悪さが残った。
    これは多分、生きている限り付き纏う、社会というするどいアレ(視線)のせいだとおもう。
    あるいは世間体という名の常識ってやつが、山椒魚のようにちぢこまっているのを退けて、イロイロと面倒くさいけど家から一歩、外に出なければいけないよ、と手招いているような。
    そもそも社会って誰のためにあるのさ、とか思ったりもしたけど、いっぱい笑って真面目に生きようと思わせてくれたのだから、不思議。

    ネタバレBOX

    ヒッキーだけどプロレスラーになりたい夢を持っている青年の話。

    感情をコントロールすることが極度に苦手で、純粋すぎる青年の症状が快方に向かったかどうかを、観る側にゆだねられるラストだった。
    作品のなかで問題なのは、外にいるか家にいるか、出たか、出なかったか、ということよりも、青年を取り巻く人々のすべてが、皆、
    ”あなたのためをおもって言っていること”だと誰もが信じて疑わず、
    ありがた迷惑かもしれない可能性に気づいていないことのように思われたのだけれども、作品に出てくるひとたちは何だかんだ、ちょっと鈍感で、不器用なんだろうなぁ。
    何か、この作品に描かれている人らって、人間の理想像っていうのは大げさかも知れないけれども、みんな優しいひとたちだったから安心して観ていられた。
    だから、笑っても差支えなかったんじゃないかなぁ、と。
    言いたいことを言える、フレキシブルな人間関係ってそんなに悪くはないとおもう。
    ただ、多少の遠慮と距離感は必要だけど。
    ありそうでなさそうなアンバランスな感覚がどうも嫌いになれなかった。
    ってちょっと楽観的過ぎたかな。笑

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    2010/05/26 17:13

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