実演鑑賞
満足度★★★
ファンタジーを突き抜ける<力>を持った作品。
表層的には、画のようなビジュアルとして観(魅)せるが、内容はエッ!そういうことを描いているの とシャレにもならない問題・課題を突き付ける。
チラシに「水には記憶が宿る」とあるが、人の記憶は曖昧で、時間とともに薄れ忘れ去られてしまうかも。その良し悪しはあろうが、物語から連想するのは 環境破壊、自然災害や紛争戦争といった忘れてはならない事だ。
物語(内容)としては面白いが、シーンの描き方にバラツキというか調和・統一性が感じられないのが憾み。(自分)感性の問題であろうが、抒情的なのか叙事的なのか といった劇風が迷走しているような気がする。冒頭の設定や背景を特定させないようなファンタジー色から、急に災害・廃村といったリアル世界へ。それが黒服集団の登場によって、今度は時代背景を特定するような。そのシーンを境として前半・後半とみれば、前半部分は冗長に感じられ 惜しい。描きたいコトが盛りだくさん、その溢れる思いに演出が追い付いていない といった感じだ。
観(魅)せるのは、独特なメイクや衣裳、その格好は異彩を放っている。物語の着想は鋭いだけに、非現実の世界観の中で どれだけ現実に引き付けて描き出せるか。今後が大いに楽しみ。
(上演時間1時間35分 途中休憩なし) 追記予定