コスモポリタン 公演情報 U-33project「コスモポリタン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    あなたは将来 何になりたいの、夢は…といった子供の頃に聞かれたり、文集等に書いた記憶がある。一人の少女の「宇宙の果てを見てみたい」、そんな思いを誰かに話して夢物語を共有したいが…。
    何世代にも亘って 友達の なりたいもの、夢と対照させて紡ぐが、時代感覚は敢えて変化させない。その過程は、夢を持ち どのように実現させるか、そして それは職業なのか具体的な目標なのかを自問自答するような描き。

    少女の心情は何となく分かるが、<演劇>として どう表現するか、その試み挑戦しているかのような。表層的には楽しめもするが、意図しているところは 手強く難しい(伝えてナンボのもん)。
    前作「真っ赤なブルー」同様、物語として紡ぐには、少し難しいような独特の世界観を表現しようとする。そして何となくではあるが肯いてしまう、もしくは共感する、といった妙味を持つ作品。

    さて キャストの役名(苗字)は、西武新宿線の駅名になっているが…。
    (上演時間1時間25分) 

    ネタバレBOX

    舞台装置は 中央に階段がある黒壁、その前に3つずつの椅子が2組、上手下手に箱馬が1つずつあるだけのシンプルなもの。上演前は緑色照明で森の奥、木陰といった雰囲気を漂わす。

    物語は、夢落ちでも 劇中劇でもない 現実世界を表出している。高校の進路相談、その三者面談を数日後に控えた授業風景から始まる。ボッーとしている主人公・中井ソラ(中村透子サン)は漫然と「宇宙の果てを見てみたい」と思っていたが、その思いは誰にも語っていない。友達は弁護士・ミュージシャン・画家といった職業を目指すグループ、他方、お姫様・インフルエンサー・金持ちといった漠然とだが目標を掲げるグループがいる。どちらにしても具体的な対象(夢)があり、その実現に向けての行動も示せる。

    何世代に亘っても夢を実現させる、と実現が困難と判断し気持に折り合いをつけるか。意志と妥協の鬩ぎあい。例えば難関試験への合格=当面の目標と定めた時などが該当しよう。それを2つのグループの夢・目標で対比、叶わない時の言い訳=自分の努力が足りないから、もともと素質がないといった逃げ道を作る。が、それも大切。心情的には分かるが、明確なメッセージとしては伝わらない(感情移入できない)のが憾み。

    演出としては、ゴム縄を色々な形に変形させ 心象風景を作り出す。色彩ある回転照明、色花吹雪、アップテンポな音楽で心地好く観せる。夢・目標を語る女優8人が生き活きと、また苦々しく 苦悩する。それを見守るような担任女教師と臨時の男性教師、その少し距離ある存在が妙。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2023/05/25 12:22

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