めぐるめく 公演情報 KAKUTA「めぐるめく」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    KAKUTA は私を裏切らない
    正直言うと、オープニングの数分間は、あれ、今回のKAKUTA は不発かな?とちょっと不安になったのです。
    でも、それは全くの杞憂でした。
    KAKUTAはやっぱりKAKUTAでした。
    桑原さんって、いつも感心するばかりですが、どうして、作・演出も役者も、あんなに素晴らしい両立ができるのでしょう!!
    半世紀以上芝居を観ていますが、こんなパーフェクトな両立をできる演劇人を他に知りません。
    いつも、この劇団は、キャスティングが適材適所なんだけれど、それが、また以前の公演とは、似ても似つかないような役どころなんで、また感心してしまいます。
    そして、いつもそうなのですが、また今回も、成清さんの台詞に泣かされてしまいました。今回の舞台、成清さんは、メーンの役じゃないのに、それでも、持って行ってしまう、彼の役者力に脱帽です。

    KAKUTAバンザイ!!一生追いかけ続けます。

    ネタバレBOX

    多数の登場人物の関係を、始まって数分で、客に理解させてしまう、桑原さんの技量にまず感服。そして、男娼役の馬場さんが、いつの間にかかなり役者として著しい成長をされていることに感嘆しました。
    簡素なセットを、主に3分割し、その空間が、いろんな場所にめくるめく変わる、小気味の良さ!特に、下手側の、突き出た長方形の箱型のような空間は、ある時は、電車だったり、またある時は、お風呂だったり、公園の池だったり、一体何役早替わりしたことでしょう!まるで、歌舞伎の10役早替わりみたいで、観ていて嬉しくなる程でした。この場所が、旅館のお風呂場になった時なんて、音響効果も抜群で、どうしたって、お風呂場にしか見えませんでした。
    難をつけようと思えば、たとえば、11年も寝たきりだった人間が、あんなにハイヒールで、動き回ったり、山登りしたりできる筋力がある筈ないとか、何ヶ月も寝ているのに、点滴もつけてないなんてとか、いろいろ突っ込みたくなるシーンもあるんです。でも、観ている内に、そんなことは問題じゃなくなる。
    これって、KAKUTAの魔法の掛け方がお上手だからなのでしょう。
    舞台が終わる頃には、登場人物全員に愛おしさを感じるのも、いつもながらの、この劇団の芝居の崇高さを物語っています。
    時間が許せば、何度でも観たくなる素敵な舞台でした。

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    2010/05/25 02:36

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  • tetorapack様

    tetorapack様程の方に、そんな身に余るお言葉を頂き、何だか恐縮してしまいます。
    私も、tetorapackさんと共感できて、とても嬉しく思います。
    素敵な演劇に出会えた上、こうして、共感を語り合えるって、素敵ですね。
    こりっちには、本当に、素敵な居場所を作って頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。
    これからも、おススメの舞台がありましたら、どうか、熱いメッセージをよろしくお願い致します。
    なにしろ、良いお芝居を観ることが、私の何よりの、心の良薬ですので。
    tetorapackさんの「観てきた」は、その良薬の処方箋といったところでしょうか。



    2010/05/29 19:12

    KAEさん

     タイトルの「KAEKAKUTA は私を裏切らない」。まったく私も同感。なんか、静かな迫力でグイグイと物語の世界に引き付けられるような感覚、それでいながら温もりの愛おしさを感じてしまう感覚、そんなKAKUTAの感覚が私も大好きです。

    >正直言うと、オープニングの数分間は、あれ、今回のKAKUTA は不発かな?とちょっと不安になったのです。でも、それは全くの杞憂でした。KAKUTAはやっぱりKAKUTAでした。

     これまた、全く同感。私は演劇に詳しい社の後輩と一緒に観たのですが、終演後の一献の際、彼もまったく同じことを言ってました。

    >桑原さんって、いつも感心するばかりですが、どうして、作・演出も役者も、あんなに素晴らしい両立ができるのでしょう!!

     本当ですね。作・演出については、きっと、書く前から作品にしたいテーマとか原風景がぶれずにちゃんと定まっているのではないでしょうか。また、役者としても、その思いがあるから、情感が作品とジャストフィットした形で表現される。「木を見て森を見ない」で演技する役者とは正反対に、森全体をしっかり把握しているから、一シーン、一シーンの情感が見る側にひしひしと伝わってくるのではないでしょうか。私は、そんなふうに感じています、勝手にですが(笑)。

    >また今回も、成清さんの台詞に泣かされてしまいました。

     次女の黎子担当の出版社の編集者ですね。彼、カッコいい(役)。ええ、いい味出してましたね。

    >KAKUTAバンザイ!!一生追いかけ続けます。

     わー、すごい! でも、KAEさんがそう思うほど、たしかに、桑原裕子は魅力に満ちていますよね。

    >簡素なセットを~

     セットについては、これまた同感。あの色が心が解放するような感じですごく素敵だったし、シンプルながらも、上手く機能していた。はい、脱帽です。

    >難をつけようと思えば、たとえば、11年も寝たきりだった人間が~そんなことは問題じゃなくなる。

     そうです。この作品の描きたいテーマがストレートに心に沁みてきたので、その点から言えば、そんなことは問題じゃありません。逆に、あえて強調したい部分での作り込みや気遣いがないまま安易に設定されたような問題アリの整合性の無さが目立つ場合は私も気になるほうですが、この作品では、まったくOKでした。でも、栄養とどうしていたんだろう? 身体マッサージだけで、こんなに持つの?なんて、頭をよぎったことは事実ですが(笑)。

    >舞台が終わる頃には、登場人物全員に愛おしさを感じる

     すばらしい表現ですね。このKAEさんのワンポイントの指摘、胸に迫りました。

    2010/05/29 10:03

    ご来場&コメントありがとうございました!

    2010/05/25 05:46

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