あたらしい朝 公演情報 うさぎストライプ「あたらしい朝」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    青年団系の小劇場だが、少し風変りのところがある劇団だ。主宰作者は大地容子。
    青年団系は自己中心の思い込みで展開するいい子ちゃん風劇団が多い(またか!と辟易する)のだが、この作品は、若者エンタメ風。女性優位の夫婦(木村巴秋・清水緑)がヒッチハイクの謎めいた女性(北川莉那)を車にのせたばっかりに、・・・という展開で、その女性の相手の男性の代わりに、最初は食事、続いて旅行に、ついにはベトナムやトルコにまで一緒に旅をすることになる。ナンセンス・ファンタジー・コメディのような展開(古い例だがモームの「叔母との旅」みたい)で、若者気質も新鮮に面白く書けていて、結構笑える。いや、女性は強くなったなぁと、気を許して見ていると、この二つのカップル、どうも変で・・・というあたりの運びも巧みである。結局それはこういう話ではよく使われる仕掛けで、なーんだというところもあるのだが、いろいろな工夫の連打でナンセンスな世界を短いながら(70分しかない)押し切ってしまう。ここではよくある複数シーンの同時進行など邪魔でしかない。
    狭い舞台で、多くのシーンをそれぞれ、象徴的な道具を出してひとつづつ個性的に手際よく組み合わせている。冒頭の女性をピックアップするまでの行き先表示の使い方とか、旅先のメコン河の船上とか、万国旗の使い方とか、場所設定が良く出来ている。演劇としての世界はできているのだから、青年団系劇団の仲間ぼめの中で安住しないで、もう少し大きい劇場(300人規模)でも見てみたいと思った。

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    2023/05/10 23:29

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