実演鑑賞
満足度★★★★★
東急シアターオーブにてミュージカル『マチルダ』を観劇。
2010年に英国で上演されて以来、世界91都市で1100万人以上の観客が魅了されたという作品の日本人キャスト版。それを聞いただけで勝手に期待値が爆上がり。舞台以外にも、テレビやラジオで本作に関連する番組や楽曲、宣伝に触れる機会があり、観劇を心待ちにしていました。
マチルダ役はオーディションで1000人以上の中から選ばれた4人の子供たち。今回拝見した回のマチルダ役は嘉村咲良さんでした。シアターオーブという大きなステージで、小さなマチルダが1人でスポットライトを浴びて歌を披露しているという事実。しかも公演パンフレットを見ると、嘉村さんは今回が初舞台だそう。とても初舞台には思えない堂々とした歌唱、そして細かな感情表現に、驚きと感動の連続でした。さすが1000人以上の中から選ばれた人材だけあります。とにかく圧巻のお芝居でした。
さらにそのマチルダは、読書好きで頭が良く、正義感が強いという人物像。次々に登場する意地悪で頭の固い大人たちに「そんなの正しくない!」と毅然に立ち向かう姿ときたら、、、。もう”カッコイイ”という一言だけでは表現し切れないです。2018年の新語・流行語大賞のトップ10に、サッカー日本代表の大迫選手の活躍ぶりを指す「(大迫)半端ないって」という言葉が入りましたが、思わず「マチルダ半端ないって」と言ってしまいそうなくらいの圧倒的なインパクトがありました。
もちろんマチルダ役以外のキャストも充実。大貫勇輔さん、斉藤司さん、霧矢大夢さんらが演じる悪役たちや、昆夏美さん演じるミス・ハニーの優しさなども絶妙なバランスで嚙み合っており、様々な感情を掻き立てられる名作であったと感じました。楽曲も照明も舞台セットもお見事で、まさにエンタメの最高峰に位置する作品だと思います。同じ作品、同じ役でも演じ手が変わるだけでガラリと印象が変わるだけに、また機会があれば他公演も拝見してみたいところです。