第76回「a・la・ALA・Live」 公演情報 a・la・ALA・Live「第76回「a・la・ALA・Live」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「a・la・ALA・Live」は今年16周年。芝居・マジック・生演奏・腹話術等様々なジャンルのパフォーマンスが一堂に会し演じられるアラカルト寄席。華4つ☆

    ネタバレBOX

     板上はフラット。出演者は、独り芝居を荒山 昌子さん、笑太夢さん&キラリンさんがコンビを組む笑太夢マジックのパフォーマンスとマジック、吟遊詩人たちに用いられたという三日月の両端から音を増幅する為の管状部分と板部分の間に弦を張り底部に接地部を付けた小型の中世ハープを用いた生演奏を村上 栄子さん、“ゴローちゃん”と名付けられた人形を用いたしろたに まもるさんの腹話術。因みに“ゴローちゃん”の年齢設定は小学校1年生である。
     独り芝居は、日本語の乱れについてゆけない中年を過ぎた独り暮らしのキャラクターを登場させることで各短編に繋がりを付け、現代日本の社会情勢を中年から初老を迎えた様々な女性たちの日常をジェンダーの視座から描くことでコミカルでありつつ、批評性のある作品に仕上げた。台詞の下敷きになっているのがシェイクスピア諸作品へのしっかりした理解と実践であることが分る作品群である。
     笑太夢マジックはハンカチから鳩を出す、カードマジックなどの定番から大型のボックスの中にキラリンさんが入り其処に鋸状の金属板を差し込む手の込んだマジック。各々4つのフープを操り乍ら様々な形を作り動作を演じる大道芸を思わせる離れ業等を披露。何といっても様々な形を構成するに当たって各フープの接点の摩擦力を用いて形を維持、操る技術が凄い。
     村上さんの中世ハープ演奏は、現代ハープに比べると随分素朴な音色の中世ハープではあるものの、もっと様々な技法が試せるのではないかとの印象を持った。まあ、音楽に関しては自分も若い頃からたくさんの一流・超一流の音楽家の生演奏を聴いてきたのでちょっと厳しすぎるかも知れないが。
     しろたに まもるさんの腹話術は、適度なジョークと小国民世代等が殊に被害を被った戦前日本の露骨極まるプロパガンダや標語に表された社会に対する戯評が込められ、昔を知る世代の現代日本への懸念が現れたコント作品群として評価する。

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    2023/04/20 12:02

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