実演鑑賞
満足度★★★★
原作を10数年前に読んだ。天才(?)少女が横暴な校長を懲らしめ、追い出す話。マチルダ役の子役が、予想以上の聞かせる歌、切れ味ある動きで感心した。マチルダは孤児のように記憶したが、そうではなく、本も読まず品性もない父母のもとに生まれたという設定。この父母の愚かさ加減が戯画的で救いがない。毒をはらんだダ-ルらしい。が、容赦なさすぎる描き方に、少々引いてしまう。
校長の恐怖支配がこのマチルダによる復讐をよぶことになる。ことばで怖さと暴力が強調するが、実際に校長がやったことは漫画的でしかない。女の子をハンマー投げの要領で上空遥かに投げ、それが落ちてくるが、落ちても女の子は(なぜか)無事。校長のケーキをつまみ食いした男性との罰も、ケーキを腹が破滅するほど食わせるというのは、怖さより滑稽味が先に立つ。「お仕置き部屋」に閉じ込めるのは舞台上では演じられないし、どちらかというと校長の空疎さが目立つ。
2幕の生徒たちのブランコ乗り、校長をやっつけた後の歓喜の爆発シーン、二つの場面の弾けたダンスとステージングがよかった。