スイングバイ 公演情報 ままごと「スイングバイ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ビルの記憶
    悔しいことに「わが星」は観に行けなかったので、これがままごと長編初観劇。
    好きだ嫌いだという以上に、ままごとの言葉の温度と見据える視野は自分の感覚のあどけない部分ににしっくり馴染んで心地がよい。そして観終わって充足感がこぽこぽ沸き起こる幸せな空間の作り。
    これがこれだけ面白くて、じゃあ皆の評価が高い「わが星」は一体どんだけなんだと今からワクワク期待が高まって仕方が無い。
    「わが星」待ち遠し。戯曲は買いたいけど公演まではぜったい読まない!

    ネタバレBOX

    人類が経てきた数千年ぽっちの年月を具象化したビルという建造物。
    観客は、ビルが経験してきた(経験する)記憶のあちらこちらを観ているのだなあと思った。
    「物語」を真正面から肯定できるほど素直な世の中に育ってきていないと自負している立場として、明確な「物語」でない、このスタイルだからこそすんなりと受け取れる要素があるのではないかと考えることが多い。
    例えばそれは、この作品が「働く」ことに関して肯定してゆくもの。
    掃除のおばちゃん、熱い新人。過去、今、未来の中でバトンを受け渡す者として映し出される彼らは、「今」の中での意味に追い回され息切れする肩を「いいんだよ」とポンと叩く。
    この視野は、誤解を恐れずに言えば宗教のふところに似ているのだと思う。

    自分も近頃「働く」ことに関してグルグル考え出す時期が始まり、度々この「いいんだよ」というまなざしを思い出しては深呼吸する。
    この舞台を必要とする人は、確実にどこかにいるだろう。だからもっと色んな人に観てもらいたい、と強く思った。
    とにかく、観ることができてよかった。

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    2010/05/17 01:51

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