『あぁ、自殺生活』 ~ ありがとうございました。次回は下北沢楽園にて6/1(金)&6/20(日)に上演致します。 公演情報 劇団夢現舎「『あぁ、自殺生活』 ~ ありがとうございました。次回は下北沢楽園にて6/1(金)&6/20(日)に上演致します。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    自殺の哲学
    駅のホームベンチにたまたま隣り合わせになった二人の男。この二人が織り成す会話劇だが、セリフの一つ一つにユーモア溢れまくって、とにかくニタニタ、ケラケラ笑った。次にどんなセリフが飛び出すのかが興味津々で、観ていると、お尻からライオンの尻尾が生えてブランブランさせちゃいたいような感覚だった。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    自殺しようと頼道は意気込んでいたが、その空気を察知した隣の男は自殺幇助のように頼道を励ます。励まされるとなんだか自殺し辛くなってしまう。なのに男はいよいよ白熱さながら、哲学的でもあり、へんてこな自殺論をぶちかます。この場面でのセリフが実にオモチロ可笑しい!笑

    完璧主義でもあり、生きてゆくのが苦手な頼道は男の自殺論に感心しながら完全に男の主張の世界にまんまと引きずりこまれてしまうも、「さあ、飛び込んで。」なんて催促されると躊躇してしまう頼道だった。

    中々死ねないで居ると、今度は男の方が「殺してくれ!」と叫ぶ。このまま年老いてボケてぐずぐずになる前に死にたいと訴える。結局薬局、男も死にたがっていたのだ。笑  しかし男に対して不思議な友情が芽生えてしまった頼道は「嫌だ。俺、あんたがいないと生きていけない。」なんつって、恋人に告白するようなセリフを吐く。笑

    一方、男は「どんなに人生が不条理だろうとそれを恨むな。人間はゼロのように孤独で野良犬のように一人なのさ。」と解ったような解らないような哲学的なことをのたまって、満足そうにしている。笑

    頼道は「一人は寂しいよー。恐いよー。」と言いながら、男が去った後、電車に飛び込もうとした瞬間で暗転するも、どうやら列車のブレーキの音が聞こえなかったから自殺しなかったようにも思える。

    社会を風刺したような物語だったが、二人の友情らしきものも垣間見えてヨーロッパのおしゃれなセンスのある舞台のさまだった。二人芝居だったがキャストの秀逸な演技力と、フランスで観た舞台の情景が思い出されて、懐かしくもあった。センスは抜群だと思う。

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    2010/05/16 11:24

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