大家族、はじめました。 公演情報 ひつじ同盟「大家族、はじめました。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    家族をお試し期間で選定する試み。
    再婚した親を予期せぬアクシデントで亡くした両家の連れ子たち同士が、本当の家族になれるのか、確かめるためにひとつ屋根の下で生活を共にする話。
    期日を決めてお試し感覚で敢行する、という着想が荒唐無稽で面白く、ミュージカル調の導入部やラストのダンスのようなポップさやギャグマンガのようにテンポよく進んでいく場面と、苛立ちや孤独感などの心の葛藤をみせる場面、スピード感を要する場面での空気感の高低差が丁寧でした。

    ネタバレBOX

    再婚した両親がハネムーン先で事故って死んだ。
    残されたのは、父・野比トウジの子供4人と母・源カレンの子供4人。育った環境の違う彼、彼女らは5日間という期間を決め、共同生活をはじめることに。

    家族は社会の最小単位と言われるように、家事をするひと、お金を稼ぐひと、甘えるひと、に役割分担を振り分けられる。
    それを取り仕切るのは24歳塾講師の源 七海。
    彼女は、家計簿をつけているため、家族の経済状況をよく把握している。

    そんな彼女が気に入らないのが大学生の野比じゅん。
    じゅんは七海に、稼ぎがないくせして昼食代をせびるのはどうか、となじられることに心底腹を立てている。両家が共同生活をすることにも反対で、サッサと5日間が過ぎてしまえばいいとおもっている。
    そんなじゅんの意見に賛同しているのが、高校生の源ヒカル。
    なぜならじゅんはヒカルのあこがれのひとだから。

    物語は七海とじゅん、じゅんとヒカルの関係性を中心に、ラブラブな源大地&野比まちの社会人カップル、家事手伝いの野比のぶ、ニートの野比めい、女優志望の源美空が出入りし、そんな両家の子供たちの様子を幽霊として蘇った父トウジと母カレンが時々ちょっかいを出しながら子供たちが仲良く暮らせることをあたたかく見守っている…という筋。

    後半、ヒカルの失踪事件をきっかけに、これまで足並みのそろわなかった家族が、ほんとうの家族をはじめたことに、安堵した。「いつ死ぬからどうなってもいい。じゃなくていつか死んでしまうから今どうするかが大事。」というセリフもスーッと胸に染み入った。

    めいと美空の立ち位置はちょっとカブっていたような気がしたけど、助け合っていきることの大切さを投げかけるささやかなメッセージがあったため、浮ついた印象は受けなかった。

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    2010/05/11 21:52

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