実演鑑賞
満足度★★★
新型コロナウィルスのパンデミックに苦しめられた現実の意識下、そこへ20年後の日本でさらに新種のウィルスがといった仮想恐怖の刷り込みをするような描き。そしてタイトルにある狼や魔女といった怪し気なモノが、物語でどのような役割を果たすのか興味を惹く。
説明の「ここは本土から800㎞の離島に存在する国営研究施設『新東京国立免疫センター』」、その舞台美術は廃墟のような怪しさ。一見奇異な世界観、その雰囲気作りと関心を惹く上手さ。
公演の魅力は怪しい施設、実験(被検<験>者)がどうなっていくのかといった謎めいた展開。それを躍動感溢れる演技で観(魅)せるところ。
ただ残念なのは、不気味な雰囲気を漂わせているわりには、施設内にいる人々ー(被検<験>者)は何故か明るく振る舞っている。その幻影的な妖しさと現実的な足あとのギャップに違和感をおぼえる。また冒頭、この施設に来た女性の現れ方が唐突で、物語の展開…時間差が感じられない。そのため物語の現在<時点>が暈けてしまったのが勿体ない。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし)