旅、旅旅 公演情報 ロロ「旅、旅旅」の観てきた!クチコミとコメント

  • 柔らかく淡い、確固たる凝固
    水彩を重ね塗りして油絵の質感を生みだそうとしているようにも、思えた。
    伝えたいこと、感じて欲しいこと、惑わそうとする企み、などが色々な技法や絵の具によって描かれていたようにも。劇中、フランスの名付けがふたたび繰り返された瞬間、紛うことなき洗濯機なのに、それがあたかもエッフェル搭であるかのように立ち上がってみえたシーンがなにより素敵☆

    ネタバレBOX

    ちょっと、かつて「夢の遊眠社」に対して、大人たちが戸惑っていたことも、ふと、思い出す。
    そう、この作品は、たとえば演劇慣れしている知識・経験豊富な観客ほど、描かれている世界のすべてを安易に手中に収めようとして失敗するような気が、する。

    なぜなら、一瞬一瞬は平面的な水彩画だから。
    あるいは、情報が愉快に過剰で、案外と、立体化した型状の絵画として観賞するために観客が強いられているものが多かったから。

    たとえば、登場人物の配し方や照明などがかなりフラットで、強弱という視点への導線が敷かれていないあたりに少し不親切さを感じたりもした。
    だから、もっと整理すれば簡単に「売れる商品」にパッケージできてしまうのに、とは思ったものの、そんなに早々と「熟れる」必要なんかあるはずはない。

    もっと大きく実ればいいと、願う。

    だって、これはもう、君たちの演劇なんだから。

    0

    2010/05/07 22:25

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大