実演鑑賞
満足度★★★
2022年度卒業公演ということもあり、多くのキャストが登場する。勿論 出番の多い少ないといった違いはあるが、それでも物語の舞台が中国と日本、宗教団体と警察組織、そして現在と過去を交差させ、さらに夢現のような情景まで現れると筋が分かり難く、頭の中で人物相関の整理が忙しかった。何しろ場所と時間を縦横無尽に動かすのだから。
公演の魅力は、スピード感ある展開とキャストの熱量でグイグイと引っ張っていく、そのテンポの良さ。多少の分かり難さ、辻褄が合っているのか疑問があっても、何となく分かった気にさせる。逆にスピードと熱量ゆえか、滑舌の甘さと早口のため台詞が聞き取れない場面がいくつかあった。
舞台美術は手作り感いっぱいで、何となく仄々とし温かさを感じる。構造的には中央に階段を設え その上り下りによって躍動感が生まれ、エネルギッシュな演技を観せる。オフホワイトの明るい舞台であるから、全体の隅々まで観ることが出来る。自分が観た回は、舞台<舞台袖 下手>の一部が剥離するというアクシデントがあったが、何とか途中休憩まで持ちこたえた。
(上演時間2時間30分 途中休憩15分)