Laghu prarthana 公演情報 Laghu prarthana」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.3
1-4件 / 4件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2023/03/09 (木) 18:00

     中国西部のとある国。そこでは国を挙げて1つの宗教が信仰されており、教えでは教祖は寿命を終えるごとに輪廻転生を繰り返し人々を理想郷(シャンバラ)へと導くとされていた。しかしある日、その国で新たな転生者は現れなかった......ことと、現代の日本にて新人刑事の結城は署内で煙たがられている先輩刑事見取と共に事件を調べていき、出どころが分からない銃が使用されたことで難航する捜査の中、見取は15年前のとある事件の資料を結城に渡す。とある宗教団体が起こしたというその事件は今回捜査している事件と類似点が多いこと、更に虐待を受け、不良仲間とつるんで学校をサボっている郷田ツカサがこの物語全体において最重要人物であり、その幼馴染の比丘レンなども絡み、ただの宗教2世の悩みや新興宗教による犯罪を取り扱った刑事サスペンス劇かと思いきや、思った以上の2重3重に物語が展開して、賛否両論を呼びかねないラストを観るに至って、一気に引き込まれた。

     警察の刑事を束ねるパワハラを通り越した恐怖で周りを威圧し、叩き上げの女班長常田、はみ出し刑事見取と新人女性刑事結城を中心とした刑事サスペンス、郷田ツカサ、その親でやたらとツカサに暴力的な郷田清、ツカサの幼馴染の比丘レン、ツカサの不良仲間達を取り巻く他愛もない、だがいつ崩れるかもわからない青春群像、新興宗教団体の儀式や絆の物語、第二次世界大戦中の中国における国を挙げてのトゥルク王を中心とした1つの宗教を日本政府の命を受けて中国共産党の役人による大規模な弾圧の物語、これらの物語、あんまり噛み合わないようでいて、そこに郷田ツカサという人物が全ての話において深く関わりがあり、人々を誠に救済できるのはツカサだということがわかってくるという、徐々に物語を回収しつつ、劇の後半では生死の間でツカサが殺されたお母さんに会い、過去に遡ったりと一気に激的な急展開に持っていくあり方が、作品の構成として、とても学生劇団のレベルを遥かに飛び越えており、これからの可能性を感じ、見事だった。

     郷田ツカサに対して、親父である郷田清が酒浸りで、ツカサに対して暴力的に振舞う行為は傍から見立ても、ツカサからみても虐待だが、そういう行為をするようになった経緯は、ツカサを守るために仕方なくやっていたことが後になってわかるが、息子であるツカサは信用しきれないところもあり、その事実に複雑な心境になりつつも、急に親父を抱きしめるという親子の絆の場面で、色々と感慨深くなり、感動して、思わず、涙が出た。

     全体的には、緊張感、臨場感ある劇だったが、ところどころ笑える場面もあって、程よく肩の力を抜くところは抜くというふうに加減して観ることができたので、思ったよりかは疲れなかった。

     個性的だったり、アクの強い登場人物、それにコミットした役者が多くて、可能性を感じた。
     特に、女班長常田役の夏炉冬扇
    がボーイッシュな上、過剰にパワハラ的で、鬼の如くに高圧的な態度と喋り方が普段からそうなんじゃないかと錯覚させるほど、出てきたときから雰囲気が感じられて良かった。

     ただ、強いて言うなら、途中10分ほどの休憩を入れたのは間違いだったと思う。なぜなら、この手の刑事サスペンスで途中休憩を挟むと集中力が一旦途切れるから。案の定、後半戦が始まってすぐは客席がざわついていたきらいがある。
     あと、あまりにも声が枯れ、言葉に詰まったり、噛んだりするところを気を付ければプロになれると感じた。
     最後に、この劇のラストには賛否両論あると思うが、個人的にはラストで、郷田ツカサとトゥルク王が過去を彷徨い続けながら、だからといって過去が変えられるかは皆目見当がつかないが、人々を救済する至高の実態のない神のような存在となっていく終わり方は、上手い逃げ方をしたなと感じ、多少の不快感さえ感じた。
     本当の意味で、戦争や争い、弾圧を止めさせ、抑圧され、自由を奪われた人々を救済し、全ての人が平穏な日々を遅れるようにするためには、過去は変えられる可能性なんて薄いのだから、今、この生きている瞬間を大事にしつつ、今私たちにできることを、小さなことからでも良いから実践していく。そうするといずれ平和に結び付いていくというような終わり方のほうが私的には、トゥルク王と郷田ツカサを自己犠牲にすることによって全てが救われる在り方よりかは、よっぽど共感出来るんじゃないかと感じた。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    2022年度卒業公演ということもあり、多くのキャストが登場する。勿論 出番の多い少ないといった違いはあるが、それでも物語の舞台が中国と日本、宗教団体と警察組織、そして現在と過去を交差させ、さらに夢現のような情景まで現れると筋が分かり難く、頭の中で人物相関の整理が忙しかった。何しろ場所と時間を縦横無尽に動かすのだから。

    公演の魅力は、スピード感ある展開とキャストの熱量でグイグイと引っ張っていく、そのテンポの良さ。多少の分かり難さ、辻褄が合っているのか疑問があっても、何となく分かった気にさせる。逆にスピードと熱量ゆえか、滑舌の甘さと早口のため台詞が聞き取れない場面がいくつかあった。

    舞台美術は手作り感いっぱいで、何となく仄々とし温かさを感じる。構造的には中央に階段を設え その上り下りによって躍動感が生まれ、エネルギッシュな演技を観せる。オフホワイトの明るい舞台であるから、全体の隅々まで観ることが出来る。自分が観た回は、舞台<舞台袖 下手>の一部が剥離するというアクシデントがあったが、何とか途中休憩まで持ちこたえた。
    (上演時間2時間30分 途中休憩15分)

    ネタバレBOX

    舞台美術は架空の神殿のような。中央に幅広の階段、上手 下手の上部は非対称だが、夫々 別空間<場所>を設える。上手下部は回転壁、下手は箱型発泡スチロールで石垣を表しているよう。そして休憩直前にこの場所が突き破られ、アッと驚くような仕掛けが…。神殿両脇に隠し階段があり、そこからの登場が場所と時間の変化を表す。

    中国西部のとある国。そこでは国を挙げて1つの宗教が信仰されていた。教祖は寿命を終えるごとに輪廻転生を繰り返し 人々を理想郷(シャンバラ)へと導くとされていたが、新たな転生者は現れなかった。教団は、その内<世界>から外の世界へ行くことが許されていない。信者の1人が病に罹り、その家族(娘)が外の治療を受けさせたいと思うが…。一方、現代の日本…出所不明の銃が使用された事件の捜査が難航。女新人刑事は署内で煙たがられている先輩刑事と事件を調べていくことになる。先輩刑事は15年前の ある事件の資料を女刑事に渡す。ある宗教団体が起こしたという事件は今回捜査している事件と類似点が多いようだ。

    捜査は囮・潜入捜査、さらに捜査打ち切り、再捜査など 離合集散を繰り返すような展開で目まぐるしい。それによって人物が入れ代わり立ち代わり登場する。主要な人物だけを追えば、何となく粗筋は解るが、折角の脚本が勿体ない。
    この宗教団体は、何となくオウム真理教を連想し一連の事件を思い出す。単に虚実綯交ぜの劇作にするのではなく、輪廻転生や彼岸・此岸の狭間、現在・過去の往還など複雑だが、面白く展開させようとする志向や工夫が好ましい。それを上手く整理し、場面ごとのメリハリがもう少し出来れば…。

    物語に直接関係しているのか分からないが、ライヴショーとして歌う場面がある。歌やアクションなど色々と観(魅)せるシーンを挿入する。その意味ではエンターテイメント性も盛り込んでいるのか。
    舞台技術ーー揺れ流れるような照明、そこに妖しげな雰囲気が漂う。また音響は水滴が落ちる音、それをピアノの単音で表現<孤独と淋しさ>するなど工夫が感じられる。
    次回公演も楽しみにしております
  • 実演鑑賞

    面白かったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    若いパワーあふれる舞台でした。
    内容は、分かりにくい部分もありましたが、怪しさやサスペンス要素があり、面白かったです。
    早口と発声の仕方のせいか、全体的に台詞が聞き取りにくいと感じましたが、一生懸命さが伝わってきました。
    良い舞台でした!

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