カミサマの恋 公演情報 ことのはbox「カミサマの恋」の観てきた!クチコミとコメント

  • 映像鑑賞

    満足度★★★★

    初日に観劇する予定が直前にポシャり、同ステージの配信を最終日に駆け込みで購入して鑑賞。(23:59でキッチリ終了だといけないので帰宅途上スマホの小さい画面で視始め、帰宅後PCに切り替えて全編が観られたが予想当たってキッチリ終了。同時配信プラス1週間をパッケージにしてる業者のそれだろうがもう少し期間が長いと良いのだがなぁ..)

    たまたま畑澤聖悟作品を3つ立て続けに観たがやはり良い脚本を物する作家である。本作は「イタコ探偵・・」を思い出させる。他にも「もしイタ」などイタコ、及び死者にご登場いただく作品があるが、地元青森の「名物」であるこのイタコのドラマ上の威力は絶大だ。それを存分に発揮せしめた作品とも言える。
    幽霊が媒介者となるドラマは掃いて捨てるほどありそうだが、うまく使えば優れた作品になる。井上ひさし作「父と暮せば」、畑澤氏が脚本化した「母と暮せば」も堂々と幽霊が登場する。生者のサバイバーズギルティを死者が解き、生へ向わせる。やはり私の中の最高作の一つ「HANA」も、妹の幽霊が(こちらはいかにも幽霊然と)姿を現わすが、犯され惨殺された妹が死の瞬間を知らない前の状態で佇むだけで媒介者としての機能を舞台上にもたらす。
    イタコは死者の言葉を取り継ぎ、悩みを抱える来訪者に「あなたの言い分はもっともだ、と亡くなった〇〇さんは言ってなさるよ」と肯定し、苦労を労う。「だが」と釘を刺す。「かくかくこうでなけりゃならんのではなかったか?」辛口コメントを言い、「・・と、〇〇さんは言ってなさる」と付け加える。
    時に死者の心を代弁し、こう言う。「心配は要らん」「むしろ私ぁ感謝しとる。ありがとう」そして「私の分まで生きてくれな」。。
    「イタコ探偵」でもイタコ”業界”の内側に触れる箇所があるが、この「カミサマの恋」は若い修行者の目を通して「裏側」を描いてる点でとりわけユニークだが、多様な問題群が見事に織り込まれ、入り組んだ話が最後には大団円に収まる。
    個人的には嫁姑のいがみあいを短いやり取りの中に凝縮したくだりがツボ、その前に両者個々からの話を聞いており、それぞれのギャップに唖然とし、笑える。この解決のために旦那を丸めこむ手管も美味しい。

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    2023/03/11 22:43

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