BLUE/ORANGE 公演情報 シーエイティプロデュース「BLUE/ORANGE」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    空席がもったいない!!
    コリッチメンバーの皆さん、こんな素晴らしい芝居を観ずして、どこの劇場に行ってしまったの??と叫びたいくらい、見逃したらもったいない感いっぱいの何もかもクオリティ高い名作舞台でした。
    あーそれなのに、客席、4分の1くらいかな?空席ありました。
    残念です。本当に…

    「兵器のある風景」でも感じましたが、このジョー・ペンホールという作家は、相当のつわものです。2時間半以上の会話劇をちっとも長いと感じさせない!!
    スゴイです!!驚嘆します。
    そして、見事この上ないキャスティング!!
    千葉さんは、主要な役を演じつつ、よくぞここまで名演出ができるものだと、また敬服!!中嶋しゅうさんは、もちろん期待以上だし、チョウソンハさんも、もはや若手ナンバーワンではと思える実力!!
    観ないと損だと断言できる名舞台でした。

    ネタバレBOX

    統合失調症か、境界性人格障害か、判断がつきにくい一人の精神疾患患者を巡って、2人の医師の間で繰り広げられる、全編、会話劇の重厚舞台。
    長い会話劇でありながら、単なる説明台詞はないし、一つとして、無駄な台詞がないのも、「兵器のある風景」同様でした。
    人間、自分の思考と思っていても、どこかで、他人の言動の影響を受け、それを自分の意思と思い込んで生きている…
    それは、精神病の患者でも、常人でも、同じこと。だから、2人の医師も、自分の感情を抑えられなくなったり、精神安定剤に頼ったり…。
    精神病患者と、正常人の境界も実ははっきりしない、人の世の常。
    そんなことが、3人の名演により、実に丹念に活写された、近来稀に見る、会話劇の名作中の名作でした。
    患者一人を部屋に残し、対立する医師2人の言い争いが、隣室から声のみ聞こえ、その間に、間もなく退院する患者が、何気なく、ライターをバックの中へ入れてしまう…。彼が退院した後、何かが起こることが暗示されながら、それ以上の説明はなし。その作劇と演出の妙に、心酔しました。

    単なる、意見の違う人間同士の対立劇に留まらず、少数民族に対する、多数民族の優越意識とかも、巧みに織り交ぜ、脚本としては、超一級品の名作を、それを本以上に独自の色で彩色した3人の名演に、心から拍手喝采!!
    最近、精神異常な役柄が多いチョウソンハさんも、その都度、役作りが違って、感心しました。益々、楽しみな俳優さんです。

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    2010/04/29 13:14

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