聖なる炎 公演情報 俳優座劇場「聖なる炎」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    新劇団縦断でキャストされた俳優座プロデュース作品。
    この劇場シリーズ、このところ、昔々のフーダニット・ミステリをよく上演する。これもサマセット・モームのほぼ、百年前!!(1928年)の戯曲で、ちょうどのフーダニットが流行し始めた頃の影響か、フーダニット(犯人捜し)である。
    一部屋のセットに登場人物7/8人というのは二十世紀中盤までの西欧現代劇の設定の標準で、このシリーズがよくフーダニットを上演するのは地方公演の効率を考えてのことだろう。第一幕は登場人物の紹介で、二幕冒頭で事件が起き、登場人物が集まったところで関係者第三者にみえる看護婦(あんどうさくら)の、これは殺人事件だ、という告発。第三幕では、名探偵は出てこないし、さしたるどんでん返しもないがが、登場人物の隠れた秘密が少しずつ明らかになるサスペンスの中で、犯人は絞られていき犯人と同期が犯人と動機が明らかになる。フォーマットとしてはフーダニットミステリなのだ。
    俳優座劇場は一世代前の現代劇上演を想定して作られていて、このごく普通の邸宅の一杯飾りのセットがよく似合うし、プロセニアムの舞台も落ち着く(美術)土岐研一)。百年前、第一次世界大戦後、、飛行機事故で半身不随人飛行機事故で半身不随となってしまった一家の長男モーリス(田中孝宗)。献身的な妻(大井川皐月)や、母(小野洋子)独身の弟(鹿野宗健)近隣にすむのインド在留当時からの古くからの友人(吉見一豊)に囲まれ看護婦(あんどうさくら)付きで、て平穏に暮らしている。
    その一幕が開けて、暗転で二幕、冒頭、昨晩何事もなく部屋に引き取った長男が急死したことが判明する。
    ここからはフーダニットで、物語は、一家には部外者の雇われ看護婦と昔からの近隣の友人の目から一家の秘密が解かれていく。 看護婦が、昨晩のうちに致死量の睡眠紛失紛失していた事実を公職の責務として公にすると宣言する。もう一つ、ここに、公とこの事情という貸せも現れる。
    紛糾したところで幕が下りて休憩。第三幕は、謎解きだが、フーダニット劇の捜しよりも捜しよりも人間関係の謎が追求されるが、結局明らかになる真犯人は意外にも・・・。

    この作品は確か劇団民芸の初演だったと思うが、(1975年宇野重吉・演出、その後は78年、俳優座プロデュース、末木利文・演出)で。それからだって五十年。古めかしさは否めないが、人間関係でみると、今なお通じる男女の物語でもある。
    俳優は各劇団から出ていて、あまり知らない方も多い。妻役の大井川皐月はもっと派手な出の方が生きると思うし、母親役は(小野洋子)は二幕までにどこかで毅然としたところを見せていないとなじめない。一幕しか出ない殺される寝たきりの主人公は、ベッドが横向きで顔が見えないのは一工夫あるべきところだろう。各劇団寄せ集めのキャスティングだから仕方が無いとは思うが、皆真面目にやっている割にはドラマが盛り上がらない。全体にフーだニットよりも現代劇として見せようとしていて、そこが今とずれて、合わなくなっている。15分の休憩を挟んで2時間25分。


    ネタバレBOX

    結論がここがフーダニットのような追求の結果というのではなくて、事態の収拾を図った真犯人が現実を生きるものが八方丸く収まるという現実的な選択がベストで、そういう判断の下ですべての人間は暮らしているのだ、というアイロニカルな結論で幕が下りる。

    0

    2023/03/03 20:05

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大