バットシェバ舞踊団『MAX マックス』 公演情報 彩の国さいたま芸術劇場「バットシェバ舞踊団『MAX マックス』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    面白さもマックス
    3日間公演の真ん中に見て、見終わったとたんにまた見たくなったので、翌日の楽日にも見てきた。

    ダンサーは男女5人ずつ。中身の濃い1時間。

    客席側からの青みがかった緑の照明と、舞台両サイドからの朱色がかった赤い照明が、歓楽街のネオンを思わせる不健康な色でダンサーの体を染める。

    前回の「テロファーザ」ともだいぶ趣が違う。音声もいくらかは入るが、無音で動く場面もけっこうある。

    独特の動き。ダンスとはなんぞや、みたいなことを考えさせられたという意味で、久々に頭を刺激する作品。もちろん普通にダンスとして眺めても面白かった。

    ネタバレBOX

    終盤で、1から10までを外国の言葉でカウントする声に合わせて、ダンサーが踊るところがある。数え方は「1」「1、2」「1、2、3」というふうに、数えるたびに数字を一つ増やしていき、最後に1から10まで数えたところでまた「1」にもどるというもの。
    いっぽうダンサーは、10個の数字に対応する10通りのポーズ(静止した状態での体のフォルム)を用意していて、カウントされる数字にしたがってそれに対応するポーズを次々に決めていく。

    この一連の動きを見ていて感じたのは、この作品でオハッド・ナハリンがやっているダンスの振付が、通常のものとはちょっとちがうのではないかということ。

    ダンスの振付というと普通は体のいろんな部位をどういう方向に、どういう速度で動かすかを決めることのように思うが、極端な話、ナハリンのこのダンス作品の場合は、10個のポーズさえ決めれば、あとはカウントするスピードに合わせてそれをつなげるだけで、ダンスの振りとして成り立っているように思えるのだ。

    2つの点を決めればその間に引かれる直線はおのずと決まる。通常の振付がどこへ線を引くかを考えることだとしたら、ナハリンの振付はむしろどこへ点を打つかが重要なのかもしれない。

    その応用編として、たとえばダンサーがジャンプする場合は、空中でのポーズと、ジャンプの前後の着地点という3点を決めればいいわけだし、回転運動の場合は、上下左右あるいは前後左右の4点を決めれば、あとは体にもっとも負担の少ない、効率的な線がおのずと生まれてくる。

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    2010/04/18 22:53

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