実演鑑賞
満足度★★★★
㊗グリーンフェスタ2023 BASE THEATER賞受賞
今まで観てきた介護・将棋・野球とは一線を画すノワール作品(敢えて言えば「白魔来る」系か)。
戦後あった実話、それを実在したと思われる棋士と絡め、上手く物語化している。主宰の井保三兎氏が演じた増山棋士、その<増山>を<升田>に置き換えると、将棋界で有名な棋士が連想できる(エピソードは知らなかった)が…。勿論、実話〈岡山県〉と人物〈広島県〉とは地理的に近いが、接点があったか否かは定かではない。それだけに興味を惹くところ。
内容は虚実綯交ぜに紡いでおり、脚本は重厚、演出は抒情、演技は重軽妙といった異なった観せ方をする。それでも全体的にはバランス良く仕上がっている。
特に演出…戦場で見た月、帰還して見た月、そして〈コウセイ〉内から見た月、同じ月だが見る場所や心持ちによって印象が異なる…文学的な情景描写のよう。
少し気になるのは、この舞台化を通して伝えたいことは何か?戦後間もない頃の施設、それを時間・地続きである現代に問うこととは…。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし)2023.4.14追記
2023/02/26 10:08
「コウセイ」ご観劇いただきありがとうございます!
ご感想も細かくご覧いただけて嬉しいです。