春の海 公演情報 世田谷シルク「春の海」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    今回はちょっと・・・・
    好きか嫌いかと聞かれれば、世田谷シルクは好きな劇団である。
    まず、いままでの形式と少し変え、オリジナルの新作に挑んだ意欲を買いたい。
    また、これまで築き上げてきたこの劇団のスタイルに敬意を表すれば、本作のみを取って劇団を評価することも避けたいと思う。
    まだまだ可能性を秘め、発展途上にある劇団だと思うので、今後にも期待している。
    ただ、もしも、先入観や予備知識なしに本作を初めて見たとしたら、自分は、また次回も観てみたいとは思わなかっただろうというのが正直な感想である。解説文から内容を想像していたときのほうが楽しかった。それだけ、期待感が大きかったのだと思う。

    ネタバレBOX

    過去と現在が入り混じって描かれ、劇の半ばまで時系列の仕掛けがよく理解できなかったのが、あまり楽しめなかった理由だと思う。
    児童対象の理科の実験塾とダム開発をめぐる人間関係という着想は面白いと思ったが、自分の長い観劇歴の中では、本作はさほど出来のよい芝居だとは思えなかった。
    過去と現在の場面をシルクお約束のダンスでつなぐが、配役表に書いてなければ、あのダンスが海の生物たちを表しているとは理解できなかったと思う。
    わけのわからないお遊戯に見え、タイやヒラメの幻影が眼前には浮かんでこなかった。役者は楽しんでいるが、格別上手なダンスを踊るわけでもないし、演出的にも新鮮だとは感じなかった。むしろ、2005年ごろから、大学の学生演劇でさんざんこういうダンスを見せられてきて、いささか食傷気味である。
    ダンスはこの劇団の特徴でもあり、好きだと言う意見も多いようなので、いちがいに否定するつもりはないが、マンネリに感じられなくもない。
    「山田君とヤドカリ」の描き方も想像したほどの意外性がなく、山田君のセリフが背景スクリーンに投影されるが、スクリーンの海中模様や役者の頭が邪魔で字が読みとりにくいのも気になった。
    ダム開発について、はるこが「ダム」を憧れの「海」に見立てることで、何とか自分を納得させようとしたという場面と、酒屋の町田が「狭い町でダムができたら新規のお得意を一から開拓することがどんなに大変か」と語る場面に、リアリティーが感じられた。☆3つはこの2つの場面に捧げたと言ってよい。
    ファンタジー的要素がある芝居でも、堀川さんの台詞には何気ないひとことにも味わいが感じられるのが魅力だと思う。
    所見の日、ポカポカ陽気だったので配慮してくださったのだと思うが、空調が寒すぎてからだの芯まで冷え切ってしまったのも辛かった。厚手の上着を持っていなかったら、耐えられない寒さだった。

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    2010/04/14 20:55

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