実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/02/21 (火) 14:00
辛い内容なので観るのにかなりの覚悟がいりましたが、観てきて良かったです!!もし躊躇している方がいたら「ぜひ観てください!!」と背中を押したい気持ちです。
この作品で1番評価したい点は、単純にウィシュマさんの死に憤る側と入管側の意見の対立に、安易に二極化していない点です。個人支援者、支援者団体、入管の現場の人々、入管で決定権を持つ上位者、それぞれがけして1枚岩ではないことが伝わります。さらに被収容者とその家族の姿、入管行政に疑問を感じている記者の視点が描かれていて、台詞の情報量もすごかったですが、なにより描き方に作品を表現する際の思慮(考えた量が透けてみえるかのような思慮深さ)や配慮が伺えました。脚本に大拍手、大満足です。もちろん役者さんの技量や演技にも大拍手です。特に入管側の役者さん達は演じる方も辛いだろうなということを感じました…もう観てるときはひたすら憎っったらしい!と思うのですが…一筋縄ではいかない、「この表現はすごい」と思わせる仕掛けがたくさんあります。入管問題に関心を持ってる人も、そうでない人にも、ぜひ多くの人に観ていただきたい作品です。