私のこの目で【ご来場誠にありがとうございました!】 公演情報 劇団スカラベ「私のこの目で【ご来場誠にありがとうございました!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    翻訳ものの難しさ
    オフブロードウェイで上演された、芥川作品をインスパイアした原作を、本邦初上演。

    上演の意図、主題は理解できたものの、一方で、翻訳ものの難しさを感じる結果となった。

    ネタバレBOX

    芥川の「袈裟と盛遠」とした『袈裟と盛遠』、「龍」を素材とした『救いの日』、「藪の中」を素材とした『R SHOMON』の三本のオムニバスから構成。

    主題は、「自分の目で見たものがすべてなのか」ということであろう。

    『R SHOMON』では、タクシー会社経営者の殺人事件を題材に、事件にかかわっているであろう3者(タクシー経営者自身は自殺であると主張)がそれぞれ自分が経営者を殺したと主張する。
    果たして、真実はいかに。。。

    『救いの日』では、ニューヨークに住む牧師が、同時爆破テロを経験し、神を疑い、ふとした心の迷いから、3日後に奇跡が起こると「うそ」をついたことから救いを求める群衆がセントラル・パークに集まる。
    果たして、奇跡は起こるのか?
    突然の豪雨によって、群集が退避するなか、牧師は一人、その奇跡を目の当たりにする。
    牧師の見た奇跡は果たして、真実なのか。。。

    ストーリーとしてはたいへん興味深いものであるが、それが翻訳台本によるミュージカルで十分に伝わったかというと、厳しいものがあろう。

    何分、音楽に乗せる台詞の量が多すぎる上、音響の関係で、台詞がところどころ聞きづらい。

    俳優陣では、「妻」を演じた千行星の歌声が圧倒的である。

    劇団の意図することは十分に伝わってきた。
    今後の本劇団に大いに期待したい。

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    2010/04/11 12:00

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