とりあえず寝る女 公演情報 箱庭円舞曲「とりあえず寝る女」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    99%のリアル感
    噂に違わず、箱庭円舞曲、大変実力ある劇団でした。古川さん、なかなの切れ者とお見受けしました。
    一般家庭のそんじょそこらにあまり見受けられない情況設定なのに、何故かどこにでもありそうな話のような妙なリアル感のある、不思議な芝居でした。
    とにかく登場人物の台詞が、全然作り物めいていなくて、そうそう、そんな言い方されたら、そういうリアクションになるなとか、こういう性格の人間は、ここでこんな見当違いなこと言う言うとか、妙に納得できてしまう自然体の台詞で、舞台が進行し、それでいながら、各人物の内面や関係性も、自然に観る者に理解させてしまう、作者の力量に、感服しました。
    こんなに普通の会話劇テイストで、説明台詞が一切ないのに、こんなにクリアに情況把握させてくれる作品には初めて出会ったかもしれません。
    役者さんも、皆さんすごくいい!!中でも、赤澤ムックさん、小林タクシーさん、爺隠才蔵さんの自然体の存在感には敬服しました。
    これだけ、自然にリアル感があるので、唯一つ残念だったのは、特に最初のシーンの方で、人物間の台詞のやり取りの時、「えっつ、え?何?」的な言いよどんだりした時の間合いだけが、やけに嘘臭い芝居染みた微妙な間になっていた点。他の会話があまりにも自然体だったので、余計目についてしまいました。

    舞台装置や照明も音響も、スタッフ技術も大変優れていて、また追いかけたい劇団が増えてしまいました。

    ネタバレBOX

    幕開きの庭の風景のため息の出るような美しさにまず魅了されました。
    空気が読めず、思い込みの激しい純朴ストーカーの塩野谷役の和知さんの佇まいが、一服の清涼剤的な雰囲気でした。
    高校生役を好演された井上みなみさんや、前述のお三人と合わせて、大変気になる役者さんが、また一挙に増えました。

    あまりよく把握していないのに、奥の間に入って、赤澤ムックさん扮する千代海が、喧嘩の仲裁に入るシーン、表舞台では、別の人間模様が同時に繰り広げられ、その台詞がどちらもしっかり聞こえる、この上級者レベルの演出技にも感心しました。
    何気ない台詞の中に、この家族の赤裸々な過去や、トラウマを小出しにして行く、古川さんの手腕に、かなりこの作品一つで心酔しました。
    それだけに、あの前説は余計な感じがしました。キャラメルやセレソンとは違い、あーいう作風なら、すぐに芝居の世界に客を誘導した方が得策ではないかと思います。
    数分の暗転で、見事に何もない部屋になってしまった時の驚きは、そのまま、真理と殊の心の空洞に重なった気がして、秀逸な転換でした。
    真理と今野の抱擁、その時、真理が囁く台詞にぞくっとして、これで幕かと思いきや、まだその後があり、芝居はここでエンディングだぞ的でない、その幕切れシーンがまた見事でした。
    あの時、美麗は、あんなに躊躇っていた、母親が買ったブラウスを着ていたのですね。
    本当に、細部にまでこだわりのある舞台、2時間20分が、全く長く感じられず、素晴らしかった!!
    団地に見えない間取りとか、過去に犯罪者だった人間が親睦会長?とか、そんな区画整理はあり得るか?とか、意地悪に観れば、突っ込みたくなる箇所もありましたが、それを超越するだけの、観る者を引き込む力のある、実に秀逸この上ない作品でした。

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    2010/04/07 15:57

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  • みささん、コメントありがとうございます。
    この2~3日、プライベートが忙しく、ここを覗く間もなかったので、気付かずに失礼しました。
    本当に、あの舞台の美しさには感嘆しました。
    実は、評判良かった時間堂にあまり感動できなかったので、この劇団も恐る恐る観に行ったのです。でも、こちらは、噂以上で、観に行って良かったと心から思いました。

    2010/04/13 21:35

    お久しぶりです。

    >こんなにクリアに情況把握させてくれる作品には初めて出会ったかもしれません。

    KAEさんほどの観劇キャリアの方の絶賛のお言葉!さぞかし劇団サイドも嬉しいに違いありません。ワタクシも赤澤ムックさん、小林タクシーさん、爺隠才蔵さんの演技には感動しました。中でも爺隠才蔵の演技は自宅でガムでも食べながらねっ転がってるような感じでしたよね。笑)
    押入れの中で生あくびしてるシーンは演技ではなかったですが・・・笑)
    大物だと思いました。客席から半分の方は観えなかったと思いますが、ワタクシは入場から遠い席の前でしたのでバッチリ観えたのです。笑)
    庭のセットは本当に美しかった。本物の雪みたいだった。その雪がだんだんと溶けてゆくような演出もお見事で、雪のように見えた白い正体はシャボンだったように思います。
    また、人々の噂というのは真実に遠いというのもさりげなく脚色して不条理が加味されてた部分も気に入っています。

    また、機会がありましたらコメントさせてください。

    2010/04/13 10:47

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