ハンドル握って 公演情報  StageClimbers「ハンドル握って」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    公演は、三短編オムニバスで紡がれ 夫々の話だけでも面白い。が、やはり全編繋げると登場する人々の思いを生き活きと描いていることが解る。タイトル「ハンドル握って」は二話目のサブタイトルであり、繋ぐ話であろうが、これが実に巧い構成となっている。袋小路で迷い、二進も三進も身動き出来ない演劇人の姿そのもの。

    登場するのは、劇団員もしくは元劇団員、その家族という等身大の人々で、内容的にもありそうなもの。それだけにリアルであり、その世界で生き 活動する人々の悩みや喜びがストレートに伝わる。公演の魅力は 物語の面白さは勿論、役者陣の演技力の確かさであろう。
    また楽しみに出来る団体_StageClimbersに出会えたことを嬉しく思う。
    (上演時間1時間15分)

    ネタバレBOX

    舞台美術は場面ごとに異なる。説明にある あらすじを参考。

    第一話「好きじゃないよ」
    劇団コロラド公演の本番前日、小道具を持って駅ホームで電車を待つ3人。朝10時という設定でまだ混んでいる状況を歩き方で表す。そして出演者がケガをしたことで代役を探すことになった劇団員(制作担当)の松田。しかし代役は見つからず…。混雑時の様子、架電等で荷物を他者に預ける動作などで情景を描き出す。

    第二話.「ハンドル握って」
    女性は、学生時代の友だちが入院し病院に車を走らせたが、都心の狭い路地に迷い込み車が立ち往生。この近所に住む男(足をケガ)の力を借りて脱出しようとするが…。男女二人の会話劇だが、細かい仕草ーー例えば男が代わりに車をバックさせる際の視線(バックミラーを見ているような斜め上目線)がリアル。

    第三話「元劇団員」
    楽屋裏。白いシーツ<スクリーン>があり奥を隠し、同時に映写用の幕として活用する。劇団を辞めて3年、郷里に帰った元劇団員(38歳-微妙な年齢設定)はアルバイト<YouTube>をしている。ある日、劇団からケガした出演者の代役を頼まれて……。そこに居ない元劇団員を配信として登場させる。勿論、場所も時間も異なるから衣裳も異なる。

    三話目は全員登場し、その関係性が明らかになる。演劇という魅力に憑りつかれた?人々の苦労と喜び、その生き甲斐、遣り甲斐を切々に語る姿が印象的である。演劇という底なし沼のような世界、そこから脱することは難しい。いや その気になれば出来るのだろうが、その魅力を捨て去ることは出来ない。
    一方、二話に出てくる女性は、故郷に帰った元劇団員の姉。演劇という不安定な生き方を卒業させ、就職するよう諭す。演劇人以外の人物を登場させ醒めた見方をする。それでも楽屋裏の演劇人の様子や話、そこに経済的なコトとは無縁な生き方がある、そんなことを感じるようだが…。

    公演は細かい演技、そして観せようと工夫する丁寧さ。例えば、三話は楽屋裏でありテーブルや椅子が雑然とあるのは当たり前の光景だが、ボックスティッシュにマジックペンで「楽屋用」と走り書きした小物を置くだけで、一瞬にして場所が分かる(ラストの白シーツを巻上げると…)。そこに公演を通してリアルな演劇愛、情熱を感じさせるモノを見るようで好感を持った。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2023/02/13 07:26

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  • 市村圭蔵 さま
    コメントありがとうございます。
    ティッシュ箱の「楽屋用」…本来、感情はもちろん、時と場所は演技で表現するもの。今回は短編ということもあり、即 状況把握する上で効果的だったと思います。
    次回公演も楽しみにしております。

    2023/02/21 13:24

    ご来場誠にありがとうございました!
    ティッシュ箱の「楽屋用」の効果があったことがうれしいです。ティッシュ箱に直接書かずに養生テープを貼ってその上から書けば目立つ、とアイデアをいただきあのようになりました。

    2023/02/18 20:35

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