満足度★★★★★
逃げない。
自分も気づかないうちに心の奥底に棲みつく、何者か。
自分を愛そうとしても、その存在が、自分を見えなくしてしまう。
そんな恐怖を感じつつも、人は日々をかろうじて生きている。
人はこの孤独を、誰かと共有できるのだろうか。
出口の無い闇の中に迷い込むのか、わずかでも光を見出して、前へ進むのか。
その答えを求めて、真っ向から人生と向き合う若者達。
胸が痛いほど辛いこの命題から、決して逃げずに挑む彼らの生き様。
まるでガラスの器に砂を注ぐような、乾いた会話の中に秘められた情熱。
舞台となったあの空間、外界、見事な心象表現を成功させた映像、
そして次第に魂をぶつけ合う人間達を見事に表現された役者の皆さん。
素晴らしかったです。
観劇後、限りなく透明に近い空を見上げたくなりました。