実演鑑賞
満足度★★★
全く期待していなかったせいか、自分的には意外と凄く面白かった。驚く程超満員。皆、何目当てなのか?
寺山修司が23歳(1958年)の時に書いた処女戯曲というだけで、頭でっかちでつまらなそうなイメージ。それに反し今作は寺山修司の名前を伏せた方が良いぐらい痛快。新人の新作だったとしたら随分と設定が古めかしく、逆に好意的に受け止められたことだろう。
「地下鉄の鉄筋にも一本の電柱にも流れている血がある
そこでは血は立ったまま眠っている」
オレノグラフィティ氏の音楽が冴える。
沖縄顔の新垣亘平(あらかきこうへい)氏と赤塚不二夫キャラのような本間隆斗氏は使い勝手が良く売れそう。
甲津拓平(こうずたくへい)氏は前回観た時よりもかなり太っていて、似た別の人かと思っていた。六平直政に寄せたのか。
ズベ公3人組、金髪の内田敦美さん、胸の谷間を見せつける木村友美(ゆみ)さん、美脚の竹本優希さんがエロくて最高。
時代は違うが『ゴジラ対ヘドラ』みたいな厭世観。
首を吊ったマネキン、和式便所に捨てられる猫の死体。
今となってはステレオタイプの定型文のような設定と展開。逆にパロディーみたいに見えて楽しい。中島貞夫が渡瀬恒彦とピラニア軍団で撮りそうな映画。誰一人好感を持てるキャラが登場しないことが気楽でいい感じ。誰が死のうが生きようが何とも思わない。