公演情報
「血は立ったまま眠っている」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★
初演は昭和35年というからもう六十年も前の作品。新しい演劇の時代のスタートとなった作品で、確か日生劇場で四季が上演したのではなかったか。そのときからわからん!わからん!ト評判は悪かった。
60年安保が背景だからさすがに古い。今再演するなら、どこかに焦点を絞って新しく作らないと見るに堪えないものになる。危惧は当たって、ただわぁわぁと賑やかなだけの二時間。惨憺たる出来である。
若い演出者に今が不安な時代であるからと言って、往事の安保戦略を押しつけるのも酷だが、やる方も時代をちゃんと見なくては。今この作品をやるとしたら、やはり流山児の嗜好には合わないだろうが、言葉だろう。あの図々しいとしか言い様のない独特のレトッリックをうまく芝居にするのは、今の時代なら出来そうだ。俳優もどうやっていいのかわからずやっている感じだったが、二三目立つ役者はいた(配役表がないので名前を挙げることが出来ないが)
実演鑑賞
満足度★★★
全く期待していなかったせいか、自分的には意外と凄く面白かった。驚く程超満員。皆、何目当てなのか?
寺山修司が23歳(1958年)の時に書いた処女戯曲というだけで、頭でっかちでつまらなそうなイメージ。それに反し今作は寺山修司の名前を伏せた方が良いぐらい痛快。新人の新作だったとしたら随分と設定が古めかしく、逆に好意的に受け止められたことだろう。
「地下鉄の鉄筋にも一本の電柱にも流れている血がある
そこでは血は立ったまま眠っている」
オレノグラフィティ氏の音楽が冴える。
沖縄顔の新垣亘平(あらかきこうへい)氏と赤塚不二夫キャラのような本間隆斗氏は使い勝手が良く売れそう。
甲津拓平(こうずたくへい)氏は前回観た時よりもかなり太っていて、似た別の人かと思っていた。六平直政に寄せたのか。
ズベ公3人組、金髪の内田敦美さん、胸の谷間を見せつける木村友美(ゆみ)さん、美脚の竹本優希さんがエロくて最高。
時代は違うが『ゴジラ対ヘドラ』みたいな厭世観。
首を吊ったマネキン、和式便所に捨てられる猫の死体。
今となってはステレオタイプの定型文のような設定と展開。逆にパロディーみたいに見えて楽しい。中島貞夫が渡瀬恒彦とピラニア軍団で撮りそうな映画。誰一人好感を持てるキャラが登場しないことが気楽でいい感じ。誰が死のうが生きようが何とも思わない。
実演鑑賞
満足度★★★
時代と寝た作家・寺山修司の処女作。当時は時代の雰囲気とマッチしたのだろうが、今やると猥雑さが空回りして、古臭さは否めない。自衛隊の看板を盗むちんけなテロ二人組が、党の使者を名乗るジャーナリストにけしかけられて、爆破テロと仲間殺しにのめりこんでいく。それと並行して、大量のリンゴを闇で売りさばいて大儲けしようというチンピラと女たちの冒険。トイレの便器や、首を吊った死体(マネキン人形のつぎはぎ)も登場する。
テロは浅沼稲次郎刺殺事件があった時代の空気なのか、あるいは連合赤軍事件を予見していたのか。闇のリンゴの方は、60年代に闇もないし、リンゴはなおさらなので、最初から冗談のバカ話に違いない。テロも闇も言っていることはわかるが、猥雑さやばかばかしさが気まじめでストレートすぎて、余裕をもって面白がれない。
翌日見た「初級革命講座飛龍伝」は、歌あり、コントあり、立ち回りありでスペクタクルなエンターテインメントに仕上げて見事に現代化していた。つかこうへいのセリフの美学も時代を超える面がある。それとはかなりの差があることは否めない。