No Robot 公演情報 One Bill Bandit「No Robot」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    理屈抜きに、楽しんでもらうに徹した 典型的な娯楽劇。そのまま素直に愉しみたい。
    説明にある、ジャパンロボットウィークに出展する製品の企画…資料の空いたスペースを埋めるため冗談で書いた企画案が通り、発案者という事でそのプロジェクトに参加することを余儀なくされ…荒唐無稽な内容〈ビジネスドラマ〉だが、それを面白可笑しく観せる。
    そしてタイトル「No Robot」とは 実に上手いネーミングで、物語の肝そのもの。感情無きロボットの開発だが、それを担う人間は熱き思いを迸らせる。

    歌・ダンスなどは、まさしくエンターテイメント作品だが、それ以上にイカれた、いや イカの手や巨大(肥大)化した人物の印象が強烈。観客に楽しんでもらう、そんなサービス精神に溢れた演出である。

    冗談の企画、しかし それに関わった人々の〈正直な〉心を育んでいく成長譚でもある。そこに表層的な面白さだけではない 〈ヒューマンドラマ〉としての奥深さも垣間見えてくる。
    そして、出来れば“No Robot”を登場させてほしかったが…。
    (上演時間1時間50分 途中休憩60秒)

    ネタバレBOX

    舞台美術は、下手正面にスクリ-ンと少し高い段差、舞台袖下はテーブルと椅子があり会議(執務)室を思わせる。上手はある程度広いスペースを確保しているが、それは後々“No Robot”を登場させるため。

    “No Robot”=ロボット開発であるが、その動作に「能」の動きを取り入れる。そのため家元の協力を取り付け、さらに人間科学的な要素を取り入れるため、と色々な開発技術を模索し始める。もともと思い付きのアイデア、あまり やる気がなかったが、いつの間にか熱心に仕事に取り組んでいる。一方、一緒に開発に関わっているメンバーの恋愛も絡み、右往左往する可笑しみ。
    演出は、カラオケと歌、能舞、スクリーン映像など、バラエティー豊かな観せ方で楽しませる。また巨大化したロボット、イカの手といったインパクトある<被り物>で愉しませる。意識したエンタメ性、そこには観客を喜ばせるといったサービス精神が溢れている。出来れば、能の動きをする完成ロボットを見たかった気もするが…。

    普通<または惰性?>のビジネスマンが、或る切っ掛けによって生き活きと仕事に取り組む姿、愛<思い>を伝えることが苦手 または臆病な人の姿、その日常にある人間模様をコミカルに描きつつ、ラストはヒューマンドラマへ変転させる巧さ。勿論、無責任と思われる上司も 観方を変えれば、やる気のない社員の教育<育成>のようだ。ラスト、ジャパンロボットウィーク後にワールドロボットウィークの仕事に就ける、その配慮<嘱望>から窺い知ることが出来よう。だからこそ全体を通して、清々しい可笑しみといった印象が残る。
    次回公演も楽しみにしております。

    0

    2023/02/06 12:42

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大