実演鑑賞
満足度★★★★
2回目。
凄く合点がいった。作家の表現したいことがやっと理解出来た。
自死遺族の物語は家族や友人恋人にある日突然、死を選ばれたことへのショック、遺された者の心の傷を語るものが殆ど。
「何故相談してくれなかったのか?」
「自分に何かしてやれることはなかったのか?」
永遠の自問自答が続く。
今作は自殺する娘が丁寧に母親に説明してくれる。泣き叫び怒り狂い喚き散らす母親。だが娘の決心は揺るがない。「やっぱり私がやることは思ったようにいかない。」と、さらに自己嫌悪の念が広がるのみ。
自殺を決めた者の、この感覚の表現。
「これ以上、自分のことを嫌いになりたくない。」
「誤った選択を選ぶ位なら、もう何も選びたくはない。」
そんな娘に何を言える?
死を選んだ側の気持ちを的確に表現してみせた。