止まらずの国 公演情報 ガレキの太鼓「止まらずの国」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    不思議体感体験の舞台でした
    稽古場風景が想像し難い作品というべきでしょうか?
    たとえば、昨日観た「相対的浮世絵」は、稽古場風景どころか、原稿用紙だか、PCだかの前に座る作者の執筆風景までが、目に浮かぶような芝居でしたが、この公演は、それとは、真逆で、目の前にいる人物達が、いきなり、その場で初めて口にする会話を小耳に挟んだかのようなリアルな感覚がありました。
    でも、だからと言って、物語の人物に自分もなったような錯覚はせず、たとえるとしたら、たまたま観るともなく観ていたドキュメンタリー番組を結構興味深く最後まで観てしまったような、不思議な劇後感でした。
    具体例を挙げるなら、「アイノリ」のカップルの成り行きを見守るような…。

    舘そらみさんは、女優さんとして拝見したことはありますが、作演作は初めて拝見しました。脚本もさることながら、演出力が優れている方だなと感じました。とにかく、役者さん達の台詞が、全然フィクションぽくないんですもの。
    セットも、音響も、大手プロダクション演劇も脅かす勢いで、こんな小劇場団体が存在するんだという事実に、とにかく驚愕しました。

    ネタバレBOX

    とくお組の舞台を拝見した時、この方の舞台はまた観たいと思った篠崎友さんが、身重の妻を日本に残して、ずっと外国旅行を続けている男を、リアルな佇まいで、好演されていた他、日本人旅行者と、韓国人旅行者を演じた全ての役者さんが、その旅経験の度合いまでをも、見事体現されていて、本当に感服しました。
    どうしても、作り物めく、現地人役の登場人物は、最初の人物紹介部分だけの出演とし、後半の緊迫シーンには、登場しないのも、よりドキュメンタリータッチの芝居のリアル度を高めていました。
    巧く、伏線になる会話を挟みながら、それを客に気取られないようにする技術も素晴らしく、舘さんの作家としての手腕にも感心しました。
    ただ、終盤、サンがポコチンのお祝いだと今更気付くシーンがありましたが、お祝いの日を知らなかったならともかく、記憶の底にあったことなら、あの爆発音で、皆が花火かと言っていた時点で、気付いていたのが自然ではないかと、ちょっとそのことだけが、腑に落ちない点でした。
    とても、リアルな若い旅行者のドキュメンタリー番組を楽しく拝見させて頂いたといった感覚で、誰かに甚く共感したりはできなかったので、☆は、5に近い4といった感じでしょうか。

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    2010/03/27 21:27

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