俺は誰だ? 公演情報 Offbeat Studio「俺は誰だ?」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    表し難い人の思い、それを個性豊かな登場人物を介して描き出していく。タイトルは「俺は誰だ?」…物語は自問自答するような展開。記憶喪失になった男、彼が巡(廻)る世界観が何処なのかが物語の肝。会社<世間>でも家庭でも不器用な男への人生応援歌、いやもっと直接的な「生きている」ことへの応援讃歌になっている。

    公演の魅力は 主人公・浅井大輔(曽世海司サン)が巡り合う人々?の濃いキャラ、何故 時代や場所、さらに性差や年齢もバラバラなのに共通項があるのか。その不可解な問い、それは自分自身の 生 に関係しているようだが…。

    舞台美術は鉄パイプ等を組み合わせた廃墟風、しかし物語の世界観に鑑みると 現実から切り離された迷宮といった雰囲気を表したかったようだ。早い段階でこの世界観は明らかになるが、どうしてここに居るのか、といった謎が終盤まで物語を牽引する。そして明かされる衝撃の事実が…。

    ラスト、他の力を借りて といった結末では物足りない。せっかく「生きること」への切望感が沸いたならば、自分の力(機智)でゲートを開けるといった力強さを示してほしいところ。
    (上演時間1時間30分 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    中央がメイン舞台、上手・下手に階段がある台、いくつかの鉄パイプを配することで妖しさを演出する。後ろは可動する鉄パイプの足(作業)場のようなものが2つ。ラスト この間の空間が重要な意味を持つ。

    浅井が不器用なのか気弱なのか、精神的に追い詰められて上手(ビルらしき)から落ち、暗転する。気が付いた ここ<世界>はどこなのか。
    まず、花魁と称する女性・ミズネが話しかける。言葉使いや衣裳・化粧は花魁そのもの。彼女、好いた人がいたが、一緒になることが出来ず、悔しい思いをしている。次に仕事人間・三上すぐる が熱く語りかける。仕事こそが生き甲斐と言うが、何となく一抹の寂しさも垣間見える。3番目に権左、見た目は一目瞭然 武士である。信念を持ち 信義に生きたようであったが、裏切りによって切腹をした。千佐子という女の子、幼い遊びに興じて喜ぶ。その無邪気な姿に癒しを感じるが、どことなく寂しい様子。ロボット、人ではないが、モノにも何かの意味を見出す。命の代わりに故障、簡単に廃棄することは、人の使い捨てに通じるような。これらの出会いは、生きていく上で「何らかの意味」を持たせている。

    異界の案内人がデスゴット=死神、その異様な化粧と衣裳が役柄にハマっていた。怪しげな雰囲気にも関わらず、浅井とデスゴットの軽妙洒脱と思えるような会話が物語をテンポ良く感じさせる。
    色々な人々?と出会う際に流れる音響が異なり、夫々の世界の違いを表現する。例えばミズネと出会った時は、コポコポという水底にいるような音、何となく浮世離れした雰囲気が漂う。勿論 花魁の化粧と衣裳という外見と相まって観(魅)せる工夫をしている。三上の時には、アップテンポで熱い思いを語るに相応しい音楽である。

    皆、浅井の前世であり、生きる または 生きたかったモノばかりである。生きているからこそ悩み苦しむ、逆に言えば そう思えること自体が素晴らしいこと。異界(臨死中か?)で 生きたいと願うことで現世へ。その際の条件が ”記憶”を無くすこと。この難題ー究極の選択を神〈もとは彼の善行でもある〉によって助けられるが…。ここは自力で解決してほしいところ。
    役者陣は、個性豊かな人々+ロボットを演じており、独特の世界観を見事に表していた。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2023/01/28 14:13

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