黒い湖のほとりで 公演情報 文化庁・日本劇団協議会「黒い湖のほとりで」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    二人の女優の狂気の殺し合い。
    NOKKO+大竹しのぶの井上薫さん。『さんせう太夫』のカルマ全開の母親役が印象に残る山崎美貴さん。どちらに軍配が上がるか注視したが、二人共取っ組み合ったまま海に落ちて消えて行った。往年の怪獣映画を思わせるラスト。何か凄いものを目撃した感覚が残る。

    巨大な紙で折られた小舟が舞台中央に吊るされて頭上をゆっくりと回転している。4年ぶりに再会する二組の夫婦。転勤ばかりの銀行員夫婦と、黒い湖のほとりに暮らす家業を継いだ地元のビール工場の経営者夫婦。どちらも4年前にこの湖で子供を亡くしている。
    四人は初めて会った日のことを思い出し語り出す。四人で夜のボートに乗り込み子供のようにはしゃいで終いには転覆してしまったっけ。

    銀行員ジョニー(沢田冬樹氏)、その妻で心臓の悪いエルゼ(山崎美貴さん)、娘のニーナ。
    ビール工場の社長エディー(南保大樹〈なんぽひろき〉氏)、その妻のクレオ(井上薫さん)、息子のフィリッツ。

    誰が誰の役を演っているのか混乱しながら観ていた。わざとそう演出しているような。心に空いた巨大な空虚が自分達の存在を不安にしていく。

    ネタバレBOX

    子供達はエディーの家のガラステーブルを叩き割ると、そこに90ユーロの紙幣と手紙を残した。「ここという場所は美しくない。」。黒い湖に浮かぶボートに乗り込み、湖の真ん中で睡眠薬を飲む。互いの手首は紐で縛り付けてある。そして舟底に穴を開けた。

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    2023/01/28 06:36

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