わが町 公演情報 東京芸術劇場「わが町」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ソーントン・ワイルダーの1938年作のピューリッツァー賞を受賞した戯曲。
    前半2幕では20世紀初頭の何の変哲もない田舎町「グローバーズ・コーナーズ」で起こる何の変哲もない日常が描かれる。休憩後はこの退屈さを昇華させ、何でもない日常の素晴らしさをしみじみと感じさせる。85分+10分休憩+40分。整理番号順入場の自由席、良い席をとるには会場後10分以内に行こう。

    前半を普通に演じていたなら私は絶対に熟睡していた自信がある。それくらい何も起こらない。そこを本舞台では様々な演出の試みで観客の興味をひきつけ続ける。わざとらしいところもあって、チッと舌打ちをしたくなるがそれも計算の内だろう。まあそれでも辛いことは辛い。しかし前半を耐え切った人だけが説得力のある後半を楽しむことができるのだ、頑張って行こう。ああでも一番楽しんでいるのは演出家と俳優さん達だと思う。

    ところで現代の東京に置き換えた部分もあるというのだが東京タワーなんかで外見的には分かるのだが人々の営みは全く東京を感じさせなかった。ここは正直全然分かりません…。それに失われた価値観満載なので現代とは相性が悪いんじゃないかなあ。

    兼光ほのかさんが広瀬すず並みにきりりとした美少女で目を奪われた。最後の方の少し力を込めたセリフの響きも美しい。

    チラシの図柄は完全にミスリードだ。これじゃあまるでハードボイルド。その狙いも読んだのだが考えすぎだと思う。

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    2023/01/25 23:28

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