Bench Time 公演情報 年年有魚「Bench Time」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    心地よく揺らぐ
    とても居心地のよい空間で、しなやかに揺らいだ時間を体感することができました

    ネタバレBOX

    紙コップではなくマグカップで(これもうれしい)温かい紅茶を飲みながら、
    ほわっとしてゆっくりと開演を待つのですが、
    その時間とお芝居の領域の境がとても希薄。
    ずるずるっとお芝居の世界に移行する感じ。
    スクリーンに映しだされる設定に遊び心をくすぐられながら、
    気がつけばその場のことの成り行きに心を奪われている。

    川柳教室のスタッフとそこにやってきたお客たち・・・。
    カードで選ばれた頭の文字から川柳をひねり出していく
    ゲーム自体のおかしさも、その場になじむ。
    差し入れのお菓子が観客にもまわされたり(良いアイデア)、
    句を考える時間がとても自然だったりだったりするなかで、
    場のテンションにしなやかなゆらぎが生まれて、
    それが「舞台上の物語」という意識を吸い取られた観客に
    不思議なリアリティを運んでくる。
    面と向かって芝居を見るというより、
    そばで展開していくエピソードに気を取られて
    好奇心いっぱいにそば耳を立ててしまう趣向。

    小さなエピソードから登場人物たちの心の綾が
    どんどんと観る側に入ってくる。
    なにか、「へぇ~、そうなんだ」みたいな感じで
    いろんなことが浮かび上がるたびに、
    観る側に、その場にあるキャラクターたちの色がちゃんと置かれていく。
    そんな中だからこそ、
    ちょっとファジーな想いや心の動きが
    繊細に観る側に伝わってくるのです。
    ちょっとシニカルだったり、コミカルだったり、
    いじわるだったりもするのですが、
    それらが変に綺麗にまとめられずに、
    絶妙にランダムな感じで、浮かんだり重なったり。
    意識的に冗長な感じの間や
    舌足らずなセリフが絶妙なスパイスになっているのもうまいなぁと思う。

    こういう空気感、ほんとうにはまる・・・。
    なんか拍手に加えて、「ごちそうさま」と頭を下げたくなるような・・・。
    涙を流して感動するということはないのですが、
    終演後に残った質感に心がすっと潤った感じがするのです。
    人のいろんな感情をそのまま貰ったような感触が、
    べたな言い方ですがとてもよかったです。


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    2010/03/18 12:02

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