Dramatic Jam 4 公演情報 feblaboプロデュース「Dramatic Jam 4」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    【チームD】
    ①「紙風船より」
    岸田國士の『紙風船』を女優二人で舞台にかける。本番は来週、稽古は今日を入れてあと四日しかない。しかも演出家は遅刻の連絡。頭にきた女優二人は仕方なく待つ間、読み合わせをすることに。夫役は西島朱里さん、妻役は今井未定さん。しかし、二人共台詞はイマイチ入っていない!
    ②「はこをつくる」
    大学のフランス語学科で知り合った環幸乃さんと結井ひよりさん。演劇をやっている環さん、映画好きの結井さん。人見知りコミュ障の二人だが、身長の低さで意気投合。宮城県に帰った結井さんは環さんのツイート、「何処か遠くに行きたい」を見て連絡を取ることに。

    ネタバレBOX

    ①台詞の入っていない二人が送る『紙風船』。何度もつっかえ台本をチラ見。「この台詞はないよな」とメタ的にツッコミ。凄く正しい岸田國士のremixだと思う。古典の再生にはこういう切り口が不可欠。逆に敢えてズレを強調して異化効果を生むやり方もあるが。
    何かと注目される今井未定さん、確かに気になった。昭和初期の夫人の喋り口と素のギャップ。かなり勘の良い人なのだろう、細かい工夫が効いている。
    ただ『紙風船』といえばあのオチの斬新さ。終わり方が勿体無い。
    ②等身大の「役者あるある」がリアル。被災地に劇場を作る話なのだが、皆が気になる具体的な手順がカットされている。「劇場を作ろう!」から「劇場は出来たがこれからが本当の戦いだ!」になってしまっている。金の話や施工のエピソードこそが今作で語るべき部分。その現実にうんざりしながらもそれでもやるのだ!の昂揚に観客は興奮する。誰もが『新宿シアター・ミラクル』に重ねて観ている筈だから。

    凄く面白いのだが、同時に勿体無さも感じる二作品。あともう少し粘れば新しい風景に到達したような。

    勿論意識していないのだろうが時期的に谷賢一を連想せざるを得ない。フェミニズムの観点からの岸田國士、被災地での演劇復興。

    0

    2023/01/19 23:52

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大