ミュージカル「蟻と僕」 公演情報 劇団天才ホテル「ミュージカル「蟻と僕」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    玉手箱のようなミュージカル
    とにかく本格的。だからこそミュージカル特有の歌がイマイチのキャストが目立つ。それでも内容は素晴らしく後半、泣けて感動した物語。
    プーランの生きた時代を4人のキャストで配役したのは見応えもあって解り易かった。秀逸な作品!

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    プーランの幼少の頃から国会議員になり、射殺されるまでの数奇な運命に翻弄された一生を描いたミュージカル。

    虐待、暴行、集団レイプをされ人間として扱われなかったプーランを救ったのは盗賊ヴィクラムだった。かれはプーランを一人の女性として扱い愛し、そしてプーランの為に、盗賊団の女神的な立ち居地に押し上げる。プーランの心を浄化させる為、そして正義の為にと、彼女にいわれのない暴力やレイプをした輩の復讐を誓い実行する。民衆はいつの世でも権力と力と金にはひれ伏すものだ。プーランをかつて虐待した村人たちは昨日と一転してプーラン達盗賊に白旗を揚げることになる。

    しかし、そんな経緯もつかの間、プーランを愛し守っていたヴィクラムはかつての投獄仲間のシュリラムによって殺されてしまう。残されたプーランは再び囚われの身となってビーマイ村の全ての男たちに代わる代わる襲われる。絶望に次ぐ絶望の連続だった。

    それでもプーランは殺されたヴィクラムが残した言葉「ビーラム、ライフルを持て!」の言葉に促されるように再び立ち上がるのだった。そうして自ら盗賊団を作り、賊のリーダーとなる。やがてとある立会人を信用し投降するも、その約束は守られることなく11年もの間、入獄させられてしまう。

    その後、女性の人権と地位確立の為に国会議員となって戦うも射殺されてしまう。

    シリアスな物語だが、演出とキャストらの演技力で充分過ぎるほど魅せる!プーランがふと足元を見たときに、視界に入った踏み潰される蟻のさまを自分に例えて比喩する風景も切ない。 ヴィクラムとプーランが愛を囁くシーンは幻想的で美しい。このシーンが一番記憶に残り最も感動した場面だった。ここでのプーランは麗泉だったが彼女の歌唱力と演技力に脱帽し、更にヴィクラム役の伊藤謙吉も歌と実力で観客を魅了する。

    そうして締めのプーラン役の島田洋子。実に素晴らしい女優だ。どのキャストも自分の役割を完璧に演じていた。終わってみれば感動の嵐だった。だからキャストらがはけた後も拍手は鳴り止まない。そうして再度、キャストらは舞台に登場し充分な拍手喝さいの中で満足そうに微笑むのだった。トーゼンのことながら、ワタクシも大満足。ものすっごくお勧めな舞台!

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    2010/03/14 11:37

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