ハコブネ【作・演出 松井周(サンプル)】 公演情報 北九州芸術劇場「ハコブネ【作・演出 松井周(サンプル)】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 過剰な毒
    人間模様を毒気たっぷりにサンプリングする松井周の作品。今回は工場の単純作業に従事する人々がそのターゲットだった。
    北九州芸術劇場プロデュース公演ということで、いつものサンプルの作品に比べると、古舘・古屋が出演しているとはいえ、出演者の演技面ではイマイチな感じがあった。

    ネタバレBOX

    舞台の奥には積み上げられたコンテナ。工場の作業時間にはローラ-式のコンベヤーが舞台中央に設置される。
    仕事の具体的な内容は不明。コンベヤーをひたすら往復するダンボール箱の動きが作業の単調さを強調する。
    舞台装置を見ているうちに、ヨーロッパ企画が上演した芝居「火星の倉庫」や「インテル入ってる」を思い出した。どちらもSF的な設定ではあるが、単純な肉体労働に従事する若者たちの姿をコミカルに描いたものだった。

    単純な肉体労働がつまらないことは誰だってわかっている。それをトホホな感じでコミカルに描くか、みじめな状態として皮肉をこめて描くかは、作り手の資質・気質の違いによるところが大きいのだろう。
    政治権力とかカルト宗教といった大きな力を持つ存在に対しては、風刺や戯画化という表現は有効だと思うが、単に工場の労働者の生態を描くのに、これほどの毒気や悪意は必要だろうかという疑問を感じた。

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    2010/03/13 23:50

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