満足度★★★
脚本改訂により人気演目がさらに深化
『月並みなはなし』は時間堂のオリジナル作品。劇団で再演が重ねられるだけでなく、俳優養成所の発表会や他劇団でも上演されている人気戯曲です。私もこれまでに3プロダクション拝見しています。
近未来の東京。月移民を目指してきた6人の仲間の中から、たった1人だけ月に行ける人を選ぶことに。つらい試練をともに乗り越えてきた友や恋人たちは、自分の望みを叶えるために相手を蹴落とさなければならなくなる。
舞台はほんのり木の香りが漂ってきそうな、おしゃれなレストラン。カラフルでロマンティックな衣裳を着た若い男女が、優しさで柔らかくつながったコミュニケーションを生んでいきます。
拝見したのが初日前日のプレビューだったせいもあると思いますが(むしろそれが主な理由かもしれません)、演技の面で時間堂クオリティーを達成できているようには思えず、期待が大きかっただけに少々残念な鑑賞となりました。
脚本のラストが大幅に変更されたことにより、これまでとは全く違う後味を残す作品に変貌していました。ハッピーとアンハッピーが混在し、揺れ動くのがとても良かったです。