かもめ 公演情報 サブテレニアン「かもめ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    上演言語は韓国語、中央上部に字幕が映されるがト書きも含めた説明程度である。台詞をほとんど字幕にしていないことから、「かもめ」を観たことがある、または韓国語に堪能でないと 観劇は難しいのではないか。自分は何回か観ており、話は知っているつもりだが、それでも…。

    「板橋ビューネ 2022/2023」の一公演として、韓国の東新大学校ミュージカル実用音楽学科の学生が朗読と独特なパフォーマンスで聴き観せる。身体的な動きは視覚で確認できるが、言語となると容易ではない。日常会話ではなく、演劇としての言葉<台詞>であり、独特な言い回しがある。勿論、日本語での「かもめ」でも、劇団〈公演〉毎の脚色があり、色々な演出によって違いを表現している。それゆえ時代や場所に関係なく、底流にある問題を見据えて長い間上演し続けられている。その最大の魅力は言葉である。例え韓国語上演であっても、もう少し字幕で補って場景を豊かにしてほしいところ。

    「かもめ」は新旧の芸術論<方法論>の間で揺れ動く心の葛藤だろう。それを冒頭コスチャが自分の台本を投げ捨てるところから始まる。既成の芸術に敢然と立ち向かいマンネリズムを批判する。その過程の苦悩、一方 現実に立ち現れる恋愛に翻弄される別の意味での苦悩が描かれる。そんな味わい深い作品は、台詞の一言一句から感じられるもの。例え それが語感として聞き取れなくても、せめて物語の展開が分かるだけの字幕があれば…。

    アフタートークで、演出のムン・チャンジュ氏は、朗読には台詞以外にト書きも入れていたと言う。その違いを学生(演者)がどう表現するか ということも聞き所であったらしいが、自分はそれ以前の問題であった。かつて韓国に留学とまではいかないが、遊学した程度の語学力では到底理解できなかったのは、自分の力のなさを嘆くしかない。
    (上演時間1時間10分)

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    2023/01/18 05:46

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