わたしたちは無傷な別人であるのか? 公演情報 チェルフィッチュ「わたしたちは無傷な別人であるのか?」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    よこはまたそがれ
    「絵本のよう」という印象。「~です。」「~ます」調のナレーションと、時計だけが壁にかかった白い壁、動きの少ない登場人物が、まるで余白の多い絵本の眺めているような気にさせるのでしょう。

     "不幸せな人"。これは人というより、"不幸せを司る神様"もしくは"不幸せ"そのものなのかな。部屋に静かに寝転がっているのは、幸せに見える夫婦が無意識にもっている"不幸せ"な部分なのかも。

    「わたしたちは無傷な別人であるのか?」では、バス亭や公園で出会った他人とはもちろん、同僚とも、そして夫婦同士でさえも、表層的なコミュニケーションしかしていないように感じました(Sexシーン、夫が触るだけで、最後までいかないんですもんね。)。ひたすら"無傷な別人"でありつづけているようです。

     この舞台で会話している場面って、マンションの玄関先での挨拶だけだと思いましたが(他はすべてナレーションで構成)、その口調が無機質で可笑しくて、思わず吹いちゃいました。

     三人のみずきちゃん、三人ともタイプが違うので、一人の人間のなかのいろんな人格が、その都度あらわれてくるようで面白かったです。

     それにしても「幸せ」っていったいなんでしょうね。舞台にでてくる夫婦は、一応幸せということにはなっているけれど、幸せに満ち溢れている顔はしてないですもん。「不幸せ」の後にしか「幸せ」はやってこない、でも"不幸せ"さんがまだ目覚めなていない。
     タワーマンションに引っ越して、あの夫婦は、本当に幸せになれるのか、"不幸な人"は引越し先にもついていっちゃうのでしょうか。

    ネタバレBOX

     佐々木幸子さんは、昭和の団地妻の風情があって、妙にそそられます。

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    2010/03/13 08:30

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