月並みなはなし[2010] 公演情報 時間堂「月並みなはなし[2010]」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    月並みでないはなし
    10日のプレビュー公演を観劇。
    地球温暖化などの影響により、今よりも若干地球環境が悪化した近未来が舞台。
    月への移住計画に応募した6人+部外者3人、計9名が繰り広げる悲喜こもごも。

    ネタバレBOX

    月への移住計画に応募しながら、落選した6人が「残念会」と称して、当局よりレストランに呼び出される。
    そこで当局より知らされる驚愕の事実。「当選者のなかに欠員が生じたため、6人のうち、1人だけが月移住を果たすことができる。60分で全員の総意として1人を選出してほしい」。
    そこから始まる、6人+部外者1人により選考会の様子をほぼリアルタイムで演じる。
    そこで示されるのは、恥も外聞も投げ捨てた欲望むき出しの人間性のぶつかりあい。
    夫婦1組、恋人ありの男性を軸に物語は展開する。果たして選出されるのは誰か?
    本音のぶつかり合いの末、最終的に、1名を無事に!?選出する。
    しかし、当局から告げられたのはまたしても彼らを出し抜くものであった。
    つまり、選出された1名を除く、5名を当選者とするという理不尽な結論だったのだ。

    6名の応募者が月を目指す理由はそれぞれ異なる。生まれも育ちも経歴も異なる人々の本音でのバトルに観客はいやおうなく引き込まれる。
    物語が進むにしたがって、目指す理由が明らかにされ、個々人への共感が広がる演出は出色。
    ありそうな物語でありながらも、丁寧なストーリーテリングで1級のエンターテイメントに仕上がっている。
    すべての演者が役を理解し、十分な演技を見せてくれたが、特にユリコを演じた百花亜希が、前作「掘出者」とは違った顔を見せ、素敵だった。

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    2010/03/11 00:05

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