家族の証明∴(公演終了!次回は10月シアタートラムにて!) 公演情報 冨士山アネット「家族の証明∴(公演終了!次回は10月シアタートラムにて!)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    人間の身体は何ができるのか
    上手の方が見やすいと言うので素直に上手の席へ。

    とにかく圧倒されました。
    これって稽古はどのように行われたんだろうか…。
    そもそも台本はどうなっているんだろうか…。

    台詞がないのに(ないので?)、呼吸音と足音がやけに響いて気になってしまった。

    あと、単純にもっと具体的なストーリーがあったほうがさらに面白かったかも。
    今なにしてるの?状態なことが結構あったので。

    ネタバレBOX

    夫婦と思われる二人がでてきて、無言で視線を交わす。
    糸束の隙間からのそりのそりと這い出す子供役の役者の身体を、夫婦が交互に持ち上げたり運んだり。
    母役の長井さんはほっそりとした小柄な方なのに平気で男優を持ち上げる。びっくり。
    長井さんが力持ちというよりは、人間をどう抱えたら負担をかけずに持ち上げられるかを研究されたうえでの動きだと思うんだけど。

    抽象的に這いまわっていた子供たちがテーブルにつくことで人間になり、
    ひとつの家族の姿が浮かび上がるのだけど。
    この家族、スキンシップが暴力的というかなんというか。
    作・演・兄役の長谷川さんのご家族がモチーフらしいですが、暴言を身体表現で表して大暴れ。激しすぎる。

    ここまではただ舞台上で、前衛的なパフォーマンスをしているという感じだったんだけど、それまで舞台装置として確立していた机がゆっくりと倒され始めた瞬間にこの舞台の秩序が決壊したのを感じた。
    けれど、そんなのまだまだ序の口で破壊レベルはそんな甘いものじゃなく…(苦笑)
    怪我しそうなほどのスピードなのだ。
    人間同士の接触も装置との接触もほとんどなく、逆に装置は自在に動かされ身体の一部のよう。
    人間の身体のどの部分にどの方向でどの程度の力を作用させるとどうなるかを熟知している感じ。
    計算されつくしているのに役者の身体は極めて新鮮で臨場感があって目まぐるしい。
    人間の身体ってやつは…ほんと凄い…。

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    2010/03/04 00:21

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