家族の証明∴(公演終了!次回は10月シアタートラムにて!) 公演情報 家族の証明∴(公演終了!次回は10月シアタートラムにて!)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    スタイリッシュなホームドラマ
    ひとつ屋根の下に暮らす幸せそうな家族の行動パターンによって生まれる協調性や感覚のズレから家族の在り方、家族間における適切な距離感を推測する作風。劇中、発話はほとんどなく登場人物たちはほぼ無に近い表情である意味、写実的。はじめは少々戸惑ったものの、フーコンファミリーの如く、そこにいる登場人物たちが言いそうなことをせっせと脳内でアテレコをする。慣れてくると物語の背景がだんだん浮かびあがる。
    すると今度は立場、境遇、態度、心情等が生かされている各々の複雑な動作には、すべて意味のある行いであることが分かってくる。
    役者の身体はまるでトビウオのように瑞々しく躍動し、非常にエキサイティング。楽曲、衣装のセレクトも抜群で映像の使い方も素晴らしく、驚きの連続でした。

    ネタバレBOX

    冒頭で視線を交わす夫婦にはこれから更に幸せが訪れる気配がある。
    舞台の奥に立ちつくす3つの人影は愛の結晶。もうすぐ妻のお腹から生まれ出る胎児。父と母が交互に抱きかかえ、手塩をかけた子供たちはダイニングチェアーにふわり着席した途端、あっという間に大人(青年期)になる。時の経過を一瞬にして描写するこのシーンが幻想的でとても秀逸。

    家族が囲むダイニングテーブルに浮かび上がる家族写真。
    ゆっくりと壊れていく幸せだったあの頃の幻影。
    解いても解いても次から次へと飛び込んでくる終わりのない数式問題。

    兄弟は悪びれる様子もなく爆音でロックミュージックを垂れ流して踊り狂い、お気に入りの洋服一着を取りあう兄と姉に遠慮の二文字はない。

    長い間暮らしを共にする家族の、身体の奥にまで染みついた行動パターンが嫌悪感に拍車を掛ける。たとえばそれはテレビ画面のまん前で新聞を広げて読む父、朝支度で洗面台を使う兄弟3人が自己中心的で譲り合おうとしないこと。

    ある時、反抗期の弟(僕)は家出。これまでバラバラだった家族たちは弟を捜索することで家族の絆を確かめる。
    そんな折、今度は偶然目にしたレントゲン写真で、兄弟たちは母の身体が悪いことを知る…。
    息をつく間もなく立て続けに起こるこの2つのアクシデントは情報量が多く、弟(僕)と母、どちらに主軸を置いて観たら置いたらいいのか迷ったのと、
    身体の具合が悪いのは父だったのか母だったのかイマイチよくわからなかった。母はタバコを吸っているところを姉に注意されていて、父と息子は家出をもう二度としないことを約束させられていて、母とも二度と暴力を振わないこと、宿題をちゃんとやる約束を交していて、レントゲン写真をみた両親は二人ともうな垂れていたから。その点だけ、モヤモヤ感が残る。
    もしかしたら、断片的な言葉、たとえば母さんとか父さんとか一音だけ用いたら親の心子知らずだった”僕”の成長に効果的かもしれません。

    ラストでの、観客に背を向けて食卓を囲む家族の背後、ホワイトボードのランプが3つになった時には家族のもつ温かさ、言い知れぬ静謐さを感じた。それがアンサーなのかな、とも。
    決して特別でないよくありがちな家族の日常風景を生活感たっぷりに描きながらも、人工的で無機質な雰囲気なのがかなり斬新で、全体的に動の中、バラバラの家族が食卓につく時だけ不穏な静寂が流れる物語の強弱、弟(僕)が自室でエロ本を読んでいるくだりの映像と演出方法、母の誕生日をお祝いしようとサプライズを用意するシーン描写などもかなり痺れました。
  • 満足度★★★★

    面白かった
    今回の話自体身近なものだったので、解りやすかったです。
    話と言っても一言もしゃべりませんけどね。

    よくあれだけの動きが出来るなと感心してしましました。
    どういう方法であんな表現になるのか不思議です。

    あっという間で笑えました。
    また是非観に行きます。

  • 満足度★★★★

    人間の身体は何ができるのか
    上手の方が見やすいと言うので素直に上手の席へ。

    とにかく圧倒されました。
    これって稽古はどのように行われたんだろうか…。
    そもそも台本はどうなっているんだろうか…。

    台詞がないのに(ないので?)、呼吸音と足音がやけに響いて気になってしまった。

    あと、単純にもっと具体的なストーリーがあったほうがさらに面白かったかも。
    今なにしてるの?状態なことが結構あったので。

    ネタバレBOX

    夫婦と思われる二人がでてきて、無言で視線を交わす。
    糸束の隙間からのそりのそりと這い出す子供役の役者の身体を、夫婦が交互に持ち上げたり運んだり。
    母役の長井さんはほっそりとした小柄な方なのに平気で男優を持ち上げる。びっくり。
    長井さんが力持ちというよりは、人間をどう抱えたら負担をかけずに持ち上げられるかを研究されたうえでの動きだと思うんだけど。

    抽象的に這いまわっていた子供たちがテーブルにつくことで人間になり、
    ひとつの家族の姿が浮かび上がるのだけど。
    この家族、スキンシップが暴力的というかなんというか。
    作・演・兄役の長谷川さんのご家族がモチーフらしいですが、暴言を身体表現で表して大暴れ。激しすぎる。

    ここまではただ舞台上で、前衛的なパフォーマンスをしているという感じだったんだけど、それまで舞台装置として確立していた机がゆっくりと倒され始めた瞬間にこの舞台の秩序が決壊したのを感じた。
    けれど、そんなのまだまだ序の口で破壊レベルはそんな甘いものじゃなく…(苦笑)
    怪我しそうなほどのスピードなのだ。
    人間同士の接触も装置との接触もほとんどなく、逆に装置は自在に動かされ身体の一部のよう。
    人間の身体のどの部分にどの方向でどの程度の力を作用させるとどうなるかを熟知している感じ。
    計算されつくしているのに役者の身体は極めて新鮮で臨場感があって目まぐるしい。
    人間の身体ってやつは…ほんと凄い…。

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