実演鑑賞
満足度★★★★★
圧倒的な力に抗い、直向きに戦う女性たちの強さと美しさ、そして強くなることに対する一抹の悲しさを感じました。鮮やかな衣装や個性豊かに上達していく剣術など、台詞が一切無くてもそれを感じさせない自然なキャラ付けと演技、豊かな表情が素晴らしかったです。
壱劇屋さんの作品に触れるのはこちらの作品が初めてで、台詞の無い芝居というのも観劇経験がありませんでした。客演の一人を目当てに観に行ったのですが、正直観る前は「殺陣や物語のあらすじは好みだけれど、台詞が無いとつまらないのではないか?」と不安で「好きなキャストが出ているし、記念に一回行ければ良いかな」と序盤の一回のみの予約状況でした。
しかし一度観て「これはもっと観たい!」と可能な日程を急遽見つけてチケットを追加した程です。序盤に観ておいて本当に良かったと思いました。千秋楽は平日の昼間や夕方早い時間だったので泣く泣く諦めることとなりましたが、時間が許せば観に行っていました。
Twitterや当日パンフレット、更には前説によるあらすじの紹介があったのも良かったです。わかりやすい、という意味でも前説は嬉しいですし、劇団員さんの個性も出るので観ていて楽しかったです。当時は劇団に触れるのが初めてだったのですが、今観たら更にまた違った楽しさも感じられたのだろうなと思います。
五彩の神楽を全作通した今、また見直したい作品です。シリーズ初めの作品と言うだけあって、内容も他の月と比べてもわかりやすい印象を受けました。とは言っても決して「単純」とか「説明臭い」というわけではありません。あくまで自然な形で、お芝居で、表情で、殺陣で、笑いで、叫びで伝わってくるものがスッと入ってくるという感じでした。
映像が残らないのは非常に残念ですが、心に深く残る体験となりました。