Garantido(ガランチード)-生きた証- 公演情報 TSミュージカルファンデーション「Garantido(ガランチード)-生きた証-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 凋落振りに絶句!嘘だと言って
    どうしちゃったんでしょ?大好きなTSミュージカルのこの有様は!
    まるで、どこかの国の偽ディズニーランドに間違えて入園してしまったような気持ちになりました。
    「砂の戦士たち」という超一級作品のパッケージの中に粗悪品の素材で作ったまがい物を入れて、売っている、贋作商品のような舞台で、落胆も甚だしく、今日を限りに、TSはお気に入り団体から削除しようと思います。
    だいたい、「砂の戦士~」の方は、先に素晴らしい原作があり、これを舞台化したいということで、企画が持ち上がった筈ですが、今回の劇中劇は、後付けで生まれた代物らしく、とにかく、中身がスカスカでした。
    劇団員の名前も、劇中の人物も、共に日本人なので、誰が誰やら、今は劇団の稽古場シーンか、劇中劇かの差もはっきりせず、照明も音響も、脚本も、全てがチープ。「砂の~」では、効果的に導入された、カポエイラも、今回の作品上は、何だか意味不明な使われ方で、全く蛇足的な印象でした。
    歌も、タモリが嫌がりそうな、台詞で言った方がいいんじゃないの!と突っ込み入れたくなる唐突さや、違和感が多く、その上、翻訳ミュージカルの訳詞でもないのに、何故か聞き取れない歌詞がワンサカ。
    本当にこれ、あの謝さんが演出されたのかしらと目を疑いたくなる思いでした。
    「砂の戦士~」の良い部分は全て、消失し、悪い部分だけが肥大した、何とも、絶望的な改変舞台で、今夜はやけ酒飲みたい失望の日となりました。
    唯一、畠中さんだけが、歌でも、心情表現が素晴らしく、内容には全く感銘しませんでしたが、彼の演技にだけは、ブラジルの日系人の苦悩が見て取れたことが、この観劇の収穫でした。

    ネタバレBOX

    劇団員が、合宿しながら、劇中劇を稽古しているという、入れ子構造の芝居は、「砂の~」と同様。その上、劇団のストーリー展開はほぼ「砂~」を踏襲していましたが、劇中劇部分の作品の出来が桁外れな差で、「砂~」では、劇中劇の物語に、心底のめり込めたのに、今回の劇中劇の内容は、お粗末過ぎました。前回は、ブラジルの飢餓と病気に苦しむ、孤児の話だったのを、今回はブラジルの日系人の苦悩話に置き換え、それなのに、ストーリー展開を「砂~」と同じような方向に持って行こうとするので、話の筋が脈絡ないし、登場人物に感情移入できないしで、何とも間延びした舞台でした。
    前回は、劇中劇の緊迫感を緩和する役目もしていた、劇団内のシーンが、だから余計、陳腐で中身のなさを露呈してしまいました。
    脚本上、ただひとつ「砂~」で、気に入らなかった最後のオチは、今回も前回程のあざとさは減ったけれど、相変わらず、何故こんな終わり方をするのか皆目理解し難いものでした。
    確か、前回は脚本は高平さんだったように記憶していますが、今回の大谷さんの脚本レベルは、とてもプロの仕事とは思えません。演出に関しても、「砂~」では、稽古場と、劇中劇の場面転換が実にお見事で、感嘆した記憶が鮮明なのに、今回は、初めて舞台作りをした素人の域の演出振り。
    原爆の話題が出た途端、きのこ雲の映像など映すのも、愚の骨頂のように感じました。
    劇団シーンでの目にうるさい点滅照明、2時間ドラマのような効果音楽も無用の長物。
    「砂の~」にご出演だった、禅さん、横田さん、駒田さん、平澤さんの不在の穴は、畠中さん、西村さんのご出演をもってしても、あまりにも脚本が酷過ぎたせいで、埋める要素には足りなかった気がします。
    そして、誰とは申しませんが、「レミゼ~」にもご出演のある俳優さんの演技があまりにもお粗末過ぎて、その方の演技が劇中劇の中身の薄さを加速させてしまいました。
    あー、本当に、これが悪夢であってほしい!!

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    2010/02/27 20:07

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