二人の高利貸しの21世紀 公演情報 イキウメ「二人の高利貸しの21世紀」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    Aプロ(浜田さん×盛さん)みました。
    チェルフィッチュの岡田利規さんが10年ほど前に執筆された戯曲、二人高利貸しの21世紀を前川知大さんが脚色し、イキウメの俳優陣が2人づつ4チームにわかれてそれぞれ演出プランを考えて発表する番外公演。
    なんでも勉強会から出発した自主企画だそうで、チケットもぎりや案内係をもイキウメの俳優陣自ら行っている手作り感いっぱいの公演でした。
    しかも開演前には普段滅多にお目にかかれない前座が、終演後には出演俳優から長めの挨拶があり、観客への感謝の意を表するとともに公演へのレスポンスを恐縮しながら求める姿には、演劇を通じてコミュニケーションを図りたいと願う痛切な想いが込められているようで印象深かったです。

    ネタバレBOX

    会場の入り口では伊勢佳世さんがひだまりのようにあたたかい素敵な笑顔で迎えてくださいました。
    前座は窪田さん。盛さん、浜田さんに頼まれて引き受けたそうです。
    今回の公演目的をざっくりと説明した後、一発ギャグのようなものを数回繰り返されて退場。観客を和ませるための配慮だったとは思うのですが、イキウメンの意外な一面を垣間見ました。

    さて、本編ですが舞台装置は非常にシンプルです。上手にドラム缶と古タイヤ。下手にベンチ一脚のみでストーリーは、タイトルの通り。高金利で貸し付けをしているふたり、アマノくん(盛さん)とヤグチくん(浜田さん)のお話です。
    借金を返せなくなったひとらの臓器を売りさばき、ようやく目標金額である一千万円に到達したのはいいけれど、勤務態度に関する相違から喧嘩になったり、かとおもえばいつの間にやら仲良しこよしになっていたり、二十一世紀になったら過去の産物になるものやら、神さまについてだとか、巻き上げた金を全部持ってトンズラしたいだのそんなとりとめのない事柄をそこら辺の適当な公園みたいなところでダラダラとお喋りをしているのを隣のベンチで寝たフリしながら薄目をあけて聞き耳たてて時折クスクス笑っているのが無性に楽しい。
    そんな、すこしふしぎ(SF)なお芝居だったとおもいます。
    劇的なことはもちろん何も起こりません。
    そういう意味では、サミュエル・ベケットのゴドーを待ちながら。なんかに雰囲気が似ているかもしれません。

    原作を読んだことがありませんので、どの程度脚色されているのかはわかりませんが、戯曲は”転機”をモチーフにしているそうです。

    ことの始まりとその予兆。何が変わり、何が変わらなかったのか考えた時、一番最初に浮かんだのがふたりの会話の最中で二十一世紀が訪れたことでした。しかし時代が変わったからといって、人間の本質は揺らぎません。
    げじげじむしが神さまになることも、神さまが増員されることも、ニセ札が本物になる望みも薄いでしょう。それでも信じる者は報われる説が新世紀でも濃厚で、そこにすべてを懸けてみるのなら今とは違った未来があるかもしれません。

    劇中、小道具が充実していて、モーリーこと盛さんが勢いあまって被ったヘルメットがなかなか外れなくてアタフタしているのが可愛らしかったのと、イキウメの本公演ではまずあり得ないような人物設定の盛さんの怪演を観れたこと、浜田さんがあどけなさの残るふしぎな少年チックでクリストファー・ロビンにしか見えなかったことも、番外公演ならではの醍醐味でした。

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    2010/02/27 04:50

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